佐々木 眞
有史以前秋津嶋に舞い降りし天孫こそはア・プリオリに偉大、か
八隅しし吾大王の高照らす日の皇子らはいかに御座すや
「万世一系」などと気安く言うが最初期の天皇なんて誰も知らない
南北で2つに分かれし万世のいずれが正当いずれが異端
なにゆえに赤の他人に頭を垂れるその来歴も定かならぬに
「日本第一の大天狗」と「日本第一の大悪霊」をこの世に送りし鳥羽上皇
愛しけやしわご大王の御代のいやさかを年の初めに祈る歌人は
和歌短歌宮廷文化の精華とて今なお愛でる歌人もありしが
今もなお五七五七七が大王の治世を言祝ぎ下支えする
遠き世の部族の長の末裔と伝わる人に額ずく人々
「人の上に人を作らず」と諭吉言いしが天皇だけはその限りにあらず、か
年下の会ったこともない女の子を「佳子様」などと様付きで呼ぶ
なにゆえに苗字がないのか雅子紀子小雪やノンと同じじゃないか
「眞子様」と生まれながらに呼ばれる人と「眞眞」と呼び捨てられし我
九重にもヒエラルキーがあるようで横綱三役幕内幕下
空虚なる中心すなわち真空地帯 良家の子女の精神を乱す
政権がぶち壊そうとする憲法を天皇が守ってくれると勘違いした思想家
天皇は日本国の象徴にあらずして日本国民統合の象徴にもあらず
我が国の主権はあくまで民にあり天皇を奉戴するも拒むも
天皇と天皇制なき世の中の明るい空虚に堪えよ民草
この国に「象徴」などは要りません青空を行くひとひらの雲
平成の後にはきっとやって来るみんなに愛される素敵な皇室