正山千夏
母は泣いています
それは嬉しい涙と淋しい涙
あなたはとても心根の優しい
健康でそれでいて繊細で
父 亡き後
よく母を支えてくれました
カモメの飛ぶガラタ橋
サファイア色の海辺
ぽっかりあいた左側
お祈りの時間の呼び声が
一瞬の夕焼けのかなたへ
私を連れていく
さようなら でこぼこの石畳
木陰を吹き抜ける乾いた風に
遅い夕闇のとばりがおり
孤独におびえる私は
ひとり船の甲板で泣くのです
にじむ街の灯り数えて
母は泣いています
それは嬉しい涙と淋しい涙
あなたはとても心根の優しい
健康でそれでいて繊細で
父 亡き後
よく母を支えてくれました
カモメの飛ぶガラタ橋
サファイア色の海辺
ぽっかりあいた左側
お祈りの時間の呼び声が
一瞬の夕焼けのかなたへ
私を連れていく
さようなら でこぼこの石畳
木陰を吹き抜ける乾いた風に
遅い夕闇のとばりがおり
孤独におびえる私は
ひとり船の甲板で泣くのです
にじむ街の灯り数えて