原田淳子
ひるもよるもなくあかるみ
抜け殻をひろいあつめる
新しい青いサンダルは鱗の染みができる
ついに魚になって跳ねる
排水溝に光る夏の拡声装置
“行方不明者を探しています”
埋もれた市民プールの底には鏡があって
水のむこうへ宙がえりする
醜さをわすれるまで千メートルの呼吸
つめたさのさきのあたたかさで
たましいは吹き飛ばされて
鳴き尽くした蝉が降ってくる
さよなら
あなたのとぶところをみたよ
じめんは剥がれた羽根の地層
“行方不明者を探しています”
あそびおわった骨がもえてる