秋が近づくとわたしは

 

ヒヨコブタ

 
 

秋が
近づくとわたしは
秋がうつくしいことも
冬への準備が始まっていることも
見たくなくなってしまう

落ち葉となる葉を選んで踏み歩くというのに
そのこころは軽やかになるはずと知っているのに
なぜだ
すっとしみる記憶の日々が連なる秋が
いつも
すこしだけ見たくなくて
けれども
冬に続くその時季を
ほんとうは
愛していると

ゆれる
ずっとずいぶんゆれる
こころがゆれる
ゆらす手は
わたしの手だと
知っていても
すこしだけいつも
こわいとも思うのは
うつくしさもかなしみも両方なのか

だいじょうぶ
ほんとうは知っているのだから
うつくしさのある世界を

 

 

 

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