佐々木 眞
それゆけポエム
ぼくらを、一陣のそよ風に乗せて
それゆけポエム
喜びも悲しみも、まるごと包んで
それゆけポエム
あの青い空、白い雲の果てまでも
ぼくが歩く
ぼくが走る
すると、そのあとがポエムになる
ぼくが笑う
ぼくが泣く
それがポエムなんだ
ぼくが叫ぶ
カワカワノムク、カワカワノコウチャン、ケンチャン、ミエコサン
それがポエムさ
ぼくが食べる
ぼくがウンコする
それがポエムやねん
ぼくはポエムだ
ポエムはぼくだ
それゆけポエム
大胆に大胆に、どこどこまでも進んで行け
それゆけポエム
この星の人々が、見たことも無い、遠い遠い所まで
それゆけポエム
悠久の天地を、いついつまでもさすらいながら
―2020年1月15日は私にとって特別な日となった。長らく療養中の鈴木志郎康さんが、およそ1年半ぶりに詩を発表されたからだ。「詩」と題されたとても短い詩だが、その最後に「それゆけ、ポエム。」というリフレインがあって、寝床に縛り付けられてはいない自分が、かえってとても励まされたような気がしたのである。この拙い詩は、そんな高揚した気分の「落とし前」として生まれました。