自販機

 

工藤冬里

 
 

あたらしい断念は
ふるい希望に基づいていたが
さらに真新しい今のこの
寝食忘れる犠牲の煙が
谷を覆う
肋骨型に剥ぎ取られてゆく
女性名詞の蓋然性
ニブフは女性を虐待した
路地出身という名目で
革を張った盾に油を塗って修理する
どんな希望があるか
もったいないという気持ちが元兇だった
しっかり汚染
裕福
満たすと露わになる山々のように
地球の欲で満たされた
果たせなくなる
経絡とは何の関係もないが
内側から見上げると
星座のようだ
自販機に矢が刺さっている

 

 

 

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