正山千夏
火曜日の公園
まばらに家族たちがはしゃぐ
キラキラ輝く光にとけて
ウィルスは目に見えない
なんと素敵な光景か
私は葉桜の下を歩く
いつもより料理に時間をかけ
ゆっくりと食事をする
洗濯に布団干し
身の周りを清め
好きなところで仕事をする
私は好きな音楽を聴く
雨上がりの芝生の匂い
風が小さな桃色の花びらを届ける
ヨガと瞑想、読書
人間の理想的な生活とは
こんな風ではなかったか
ただ唯一
足りないものがそれだ
濃厚な接触
握手、ハグ
何気ない会話
深く見つめあう目と目
ただ唯一
あの人に会いたい
人肌、口づけ
耳元で聞こえる息づかい
混じりあう汗
からみあう指と指