Mort sans cadre

 

工藤冬里

 
 

死んだのかなあ
嫌だなあ
夜にだって遠近はある
手前が一番暗い
透徹してしまうと死ぬ
ふたりだけになると死ぬ
ふたりだけになって死ぬ
月がきいろくふとっても死ぬ
星がテニスボールくらいにふとっても死ぬ
どんなにきれいでも死ぬ
ぶっしつに帰る
野晒しのまま朽ちていく
アザラシも野晒しに!
ただ死ぬ前は写真はきたなくなる
なぜだかはわからない
見えないものしか愛せないからかもしれない

いや死んでないよ
アーカンソーArkansasはアカンそうなので
イリノイIllinoisで割のいい仕事を探す
アイオワIowaで愛終わり
テキサスTexasで敵刺す
要するに
旅に出たんだ
写真が1947のフルトヴェングラーみたいに
詰まっていてきれいだ
フレームのない死は
もうすぐだとしても

 

 

 

#poetry #rock musician

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