ghost apples

 

工藤冬里

 
 

一六日 天寒
どんなに良さそうに見えても欠けたところに穴があり
それは見える軍隊であったり
内向き過ぎのバランスそのものであったり
民俗風習への無批判の迎合であったり
何よりあたしであったりするので
距離を置かなければ同化してしまう
だから白鳥は食べない
自傷はしない
障害があっても食べていけるよ
あたしのように子供を火あぶりにはしてはいけない
あたしのように偏見を持ってはいけない
リベラルであってはいけないんだ
永続する国は米を通しては来ないことを知ってほしい
一七日 天上大風
あたしの考え方や感じ方に合っているから、と言うのは間違っている
それはあたしの感じ方や考え方に合っていない筈だからである
そしてあたしの考え方や感じ方を肯定する必要もある
その上であたしとは異なった考え方や感じ方にあたしを合わせるのである
一八日 ghost apples
洪水前の性欲を地表に満遍なく持ち続けている一派と
洪水後の国務野獣的な当該の仲が相当悪い
口癖が「本当の敵は」であるような
スローガンとしての米帝が遠ざかった内ゲバと同じ結構である
指を落としても目先の力任せの突破
悪よりもスピードを上げて
説明のために指を落とし続ける法廷逃走
あたしの指は何本あるんだ
姿を現したら負け
車から顔を出した地元の不良の男の子たちが「目を逸らしたら負け」と言う
あたしは
空0リンゴの形をした氷

 

 

 

#poetry #rock musician

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