道 ケージ
ミャンマーに行く道は二つ
倒木を渡るか
穴を掘るか
途切れるか埋もれるか
泥を呑むのは嫌だし
私は私を引き連れて
我々は影を連ねて押し黙る
なまず溜りで立ち止まる
我々はどこに行った
私は結局透明な水面に渡された
倒木をよろよろと渡る
透き通る青が美しい
女はこともなげに走り行く
頭にお土産をのっけて
これで辿り着くのか
陽射しが翳ると
あまりの透明さに「我々」を思う
この橋をうたがった途端
崩れ行く仕組みになっている
それでも波はないから
投げ出されても安心
透明な塩水は緑の服に染み入って重い
空気だまりでぷかぷか浮かぶ
上から白い制服の男たちが軍刀でつついてくる
やめてほしい
丸い橋にやっとこ上り
エメラルドグリーンの中
もうどちらがミャンマーかわからない