南 椌椌 個展
「ソシラヌ広場―アンモナイトの見た夢」

 

南 椌椌

 
 

10月18日から青山ギャラリーハウスMayaにて久しぶりの個展「ソシラヌ広場―アンモナイトの見た夢―」を予定しています。半立体のテラコッタを平面作品にコラージュした作品が中心となります。作品画像に短詩を添えた作品集を発行するため、現在、編集作業中です。今回の「浜風文庫」にはその中から、4点をプレミアム公開?させていただきます。さとう三千魚さん、いつもながら、ご好意ありがとうございます。作品写真撮影は上山知代子さんにお願いしました。

 

ソシラヌ広場―アンモナイトの見た夢―より

 


 

林檎のブランデー

 
人生最良の日々と言っておきます
エレファンとウーサ
日の暮れるまでひたすら遊ぶ
夏のなごり やかましいな 蟬のレクイエム
コドモでも飲める 林檎のブランデー
祝杯いただきます 二杯まで

歌は空の深みに いつしか消えて
たそがれの合図は カササギの声 
コドモだもの 酔えば裸になるだけさ
いっとう 飛び切りの時間
胸にひそめて さてどこに帰ろうか

✶ イヴ・ロベールの映画「わんぱく戦争」で、
小さな子供が林檎のブランデーを2杯飲んで酔っ払っていた。

 


 

ミハテヌ遊園地

 
赤と黄いろはお好みの色
コドモそっくり 3人さらって
ソシラヌ広場にやって来た

そこは ミハテヌ移動遊園地
赤と黄いろのガラクタ遊具
客もまばらな 閑散閑古

トロい木馬はガタピシ揺れて
気ままに停まる午後3時
遊び疲れて コドモはどこへ?
どこかで 大人になるのでしょう

ソシラヌ広場で ソラシド ウタフ
アンモナイトの見た夢は
赤と黄いろの ミハテヌ遊園地

 


 

ソシラヌ村の三兄弟

 
ユカタン半島 マヤ遺跡
ウシュマル近郊 ソシラヌ村の三兄弟

ひとりは トラクァチェロ
気はやさしくて 忘れん坊のお人好し
隣の村のクロサギさんから カモにされ

ひとりは リベロテス
奔放な性格で 落ち着きないが
時に村長 時に芸人 酔っ払って時々失踪

ひとりは マルクェラス
コドモの頃から モノシリ博士 本の虫
樹上の人で 人付き合いは苦手のご様子

ユカタン半島 マヤ遺跡
ウシュマル近郊 ソシラヌ村の三兄弟
喜びも哀しみも みんな化石になっちまった

 


 

こそばゆいとき

 
キミの手のひらに アンモナイトが棲んで
キミの足元に 仔象のエレファンがいて
キミの口もとには 可能性のエクボがあって
ここはアノソノ ソシラヌ広場

正午過ぎたら 蛇口ひねって水を飲む
異国の人に こんにちはと言えるかな
その人がやさしい顔したネパール人で
”ナマステ” って返してきたら
ネパールでは “こそばゆい” ってどう言いますかって
その人の目をみて しっかり言えるかな

✶ ネパール語で、こそばゆい=くすぐったいはGudagudī グダグジだそうです。

 
 
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南 椌椌 個展

「ソシラヌ広場―アンモナイトの見た夢」

2021年10/18(月)〜10/30(土) 日曜休廊
11:30〜19:00 (土曜は17:00まで)
ギャラリーハウスMAYA
東京都港区北青山2-10-26 (地下鉄外苑前駅徒歩5分)
tel 03-3402-9849

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