島影 35

 

白石ちえこ

 
 


新潟県新潟市

その浜辺には、時間が止まったような静けさと真昼の明るさがあった。
すべてのものが長く影を引きながら、静かにじっと、砂の底に沈んでいくのを待っていた。
ところどころの木の柱はどこかの部族のまじないのようにも見えた。
砂には、わたしが歩いた足跡だけが浅く残っていたが、やがてそれも消えていった。

 

 

 

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