「はなとゆめ」15 小さな子

 

 

夏の
太陽の下に道があり

白い道が
あり

ひとりあるいていきました

山の斜面に

ユリが咲いていました
ヤマユリは白く咲いていました

白い雲が

流れていくのを
見て

いました

ゆっくりと流れていくのを

見て
いました

小さな子はわたし
小さな子はあなた

燕が大きな曲線を曵いて飛ぶのを
見ていました

魚たちが光の中で遊びながら泳ぐのを見ていました

オニヤンマがゆるゆると風の中を通り過ぎるのを
雲がゆっくりと流れておそろしく盛りあがるのを

見て
いました

小さな子は見ていました
小さな子は始まりを見ていました

小さな子は終わりを見ていました

小さな子はわたし
小さな子はあなた

ゆっくりと流れて
白い雲が盛りあがるのを見ていました

世界の始まりと終わりを見ていました

 

 

 

※この作品は以前「句楽詩区」で発表した作品の改訂版です。

 

 

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