カナリィ

 

道 ケージ

 
 

かなり大きい
あまり動かず
まりい
たりい

遠目からは箒草
黄土色に滲み
見ようによっては
くだん

従順なふんいき
高音のくぐもり
ポッコリ腹に
予言はない

心許して近づき
手がない
ピュイ
異種のけものである

干からびた嘴は曲がり
粟と稗の臭み

おぉ、カナリィ
カナリィじゃないか

「鼻が効かん
 雑巾の匂いと言われ
 何もわからん」

モップの腐ったような毛は
すでに黄色ではない

三里塚、上九一色では
囀るだけでワーキャー
止まり木で
すかす

今じゃ毎日
生きるに値しない音頭を
聞かされる

削いで尖って
も一つ削ぐと
丸まった丸まった
刃ない
警告できない

いないことを望む人たちを
選び
ちょっと戦う
喉に引っかけ
もうやめとき

滅びな

 

 

 

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