残り火

 

原田淳子

 
 

 

夏の魔物から逃れて
椅子をおいたら
草臥れた天使がそこで眠った

瞼に炎のシルエット

夜の死海を跨いで
蝉の亡骸が降る

死が燃えて
生が押し出される
あぁ

暁に
唇に
その色を遺して

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です