晩年様式

 

工藤冬里

 
 

前愛媛1区塩崎って新宿高校だったんか
覚えておこう
下からと上からが絡み合っての権力だから逃走線を引くのが厄介なんだ
声優やアニソンの世界は縁遠いものと思っていたが、一龍斎春水「講談金子みすゞ伝」の、悪の声色、善の声色を一身に引き受けて目先の発音の享楽に身を任せる処世からポストポストモダンを発送すると判るのは例えばこういう表層の堅さが何故不安を煽っていたのかということ
dj大江はこれらを処理する家電を模索していた?
https://youtu.be/ikyrzKBooYU
世界はメイヤスーヨーグルトだ
則ち攻殻としての容器と味蕾の記憶である
晩年や自決代わりの様式美

箪笥色のセーターを着て
大きな箪笥の前に坐っている
箪笥はニスで光っている
画面の中では手首や顔だけが薄い

青を羽織って
硝子戸の前に坐っている
巨木の園でブレイクの復楽を見ている
ひとりひとりにそのための水

声が出なくなって
水は
根は
ぽきぽき
秘書は去り
饅頭屋は潰れた
アウトドアグッズは小さなパンチの渦を巻き
変化のない洗濯機のように絶望している
鍵がない

 

 

 

#poetry #rock musician

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です