加藤 閑
ガリバーの船に薄氷残りけり
巣箱置く水のにほひのする森に
春雷の夜に睫毛ある卵産む
薊反るチェロ抱くやうに私を抱いて
うぐひすの奥義は知れり系図消す
鳥帰る虹の断腸くぐりぬけ
虎杖に並びて立てど吾一人
白魚は泳ぎわすれて盛られけり
末黒野に背中冷たくして泣けり
光りとは朝鮮から来る蝶のこと
ガリバーの船に薄氷残りけり
巣箱置く水のにほひのする森に
春雷の夜に睫毛ある卵産む
薊反るチェロ抱くやうに私を抱いて
うぐひすの奥義は知れり系図消す
鳥帰る虹の断腸くぐりぬけ
虎杖に並びて立てど吾一人
白魚は泳ぎわすれて盛られけり
末黒野に背中冷たくして泣けり
光りとは朝鮮から来る蝶のこと