工藤冬里
俺は腹に何かを詰め込んで彷徨っているゆうれいにすぎない
見上げる一様にうすあかい夜空に月は見えず
単発の大喜利で歩を進めているだけだ
祈ればいいんだという声が聞こえ
未来の俺は祈っているが
それは遠い過去のようだ
分断がそこまで来ていて
本は最強決定戦のみとなった
嘘くさいだろ、嘘くさいだろ、という横風を受けながら
踵に集中している
シオン
とうとうふたりだけになってしまった
きみどりと茶色だから古生代ぽいのだろう
その木からシオンに線を引いて
心臓を経由させると
いくつかの電波は情を点滅させる
黄みどりと緑と茶の混じった全体は日没に向けて暗くなってゆく
親子の情を基本に据えた世界が今日も暮れようとしている
従順によって今では可能になった
シオン霞ヶ関で働いている
グローバリズムに植え付けた願望?
暮れていった 暮れていった
日本が最初に暮れていった
#poetry #rock musician