非日常

 

たいい りょう

 
 

沈黙だけがあった
風の音は わたしに
何も語らなかった

物音ひとつ立てずに
目の前を 通り過ぎていった

妖精が放つ光は
役者を盲目にし
孤独を搔き立てた

汗と涙は 観者を発狂させ
沈黙は沈黙を閉じ込めた

すべてが一瞬のうちに
消えてしまった
残像さえも 影となって

 

 

 

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