雨が奏でる正午

 

原田淳子

 
 

 

銀の三角を額に描いて船に乗る

壁から電気を盗んでるあいだに詩を書く

街頭で集めたティッシュで花をつくる

握り飯を食べたら歯が欠けた
人生のいちぶが破損して、セラミックが光ってる

石階段を駆けあがる

子どもたちが飛沫に歓声をあげる

水が手紙を運ぶ

雨が奏でる正午

きみの方角が白く濡れていた

 

 

 

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