武陽金沢八勝夜景

 

廿楽順治

 
 

途中
つまがころんだ

行き先がちがう
ということに気づいた矢さき

(つまづくものはさいわいである)

ようやく
その版画のある旅館についたが

三枚につながってはいるものの
暗くて
細部がよくみえない

それはむかし
ごく近くにひろがっていたはずなのに

ふるい旅館の外へでると

そこも暗く
夢の三枚つづきになっている

生きて
剥けたまま

それはつまの膝小僧のようでもある

 

 

 

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