標野(open field)

 

工藤冬里

 
 

息を吸うのとシャッターを切るのが同時であるような
顔と半身を透かす文字群が配されている瓶
全く別の国に入ったみたいだ
標識も違うし

虎色は溶けて頽れ
愛想尽かした黄色と薔薇色
水色に紺の運河
大砲が火を噴きそこだけ白く剥がれる擦れ方の
発信源を探ると虫瘤のイスノキ
守ることも破ることも簡単な空洞だった
置手神
鱗から落ちて開くのか覚醒して食べるのか
祈れと言う三人称に属さない終止符
殴らず撃退する点猫法の算数
地上に望むものは何もない

 

 

 

#poetry #rock musician

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