工藤冬里
分離はほんらい
ひとつだったものの記憶だ
剥がそうとすればするほど
上へ上へと逃げる
父も母も系譜もなく
いつ生まれていつ死んだかも分からない男に永遠は属する
歯が無いので呂律が回らない
呂と律で楽となるが
楽の音は廃され
契約は新しいものに取って代わられた
あらゆる通知がそれを知らせる
その度に携帯は震え
避難訓練だと教える
洗濯機の渦の中に愛情を流し込む
夕日のパノラマの中
車は赤より赤くモノクロームを走る
オタマジャクシの呂律はデジタルなマーカーで蛙の項を囲い
バターナッツかぼちゃのラインの分かり易い契約を知らせる
揺れる謡の展示の延命
痺れるような柔和さと燦めくような分かり易さで諸体制の延命を図る頭脳らの世俗性を俺は拒否する
体制に延命など要らぬ
今滅びろ
体がない!
きっと病気になる
欠落と妄想を上に分離して
完全にアルシーヴの時代となった
glory,kept open
未来はなく過去を変えることでしか今の栄光はない
タイヤは換え此方側familyの善意で手帳は見つかったが体がないので生贄としての財布を失くす。それは愛の定義の暴露に依るものだから隙とかじゃなく防ぎようがない。此方側の認知の問題ではなく彼方側の悪意の問題なのだ。非道く攻撃され灰は糸の血を咥え てれん とした朝だこと
止揚を相殺と訳すノヴァーリス、偶然と悪霊が殺し合うのか
更に蜂に刺される
溝があるのに気付かず大腿骨を強かに打撲する
パスポートも失くしたことに気付き