幻羊/浅い墓

 

工藤冬里

 
 

楽しいことが待っとるけんね
何かあっただろうか
楽な方法を見出したということか
いずれにしても力はない
空0スターウォーズまだかな
字がきたない
近道に慣れるまで数年かかった
言葉が死んでいる
舌の短さによって
風を押さえ込む
空0バッタを治める
空0アバドン・アポルオン
喜んで怖れる
靄がかかって
二人が一つのベッドにいて
一方は連れて行かれ
他方は捨てられる

幻の羊を
浅い墓に埋める
楽しいことが待っとるけんね
空0あさいはか
空0ないはか
空0にうめられて
浅い儚い墓に埋められ

乞食は
分かっている

正義の妄想は
満たされる

骨粗相症のシャコは
鏡から離れて
自分を忘れる

都々逸衝動はまだある
〽︎友の鏡に自分を映す

根の塊ごと
土として掘り起こし
土として埋めた

拡げた坑に
根と埋葬する

最後の日々には
終わりが終わり
空0くの字型した
死体が二つ

空0しろがねの衾の岡辺

死ぬ人々がカフェにいる
唯一のメッセージはTVの宣言を信じるなということ

不意に驚く泥棒のように驚き
冴子のように冴えた状態を保つと
暗いオレンジに光が当たる
can’t afford
キリストから切り捨てる
〽︎掘ってやろうか浅い墓

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です