あきれて物も言えない 28

 

ピコ・大東洋ミランドラ

 
 


作画 ピコ・大東洋ミランドラ画伯

 
 

Cheep Imitation

 

ここのところ、
高橋アキがピアノを弾いているCDで「Cheep Imitation」* を聴いています。

「Cheep Imitation」とは、
“安っぽい模造品”という意味だそうです。

昨夜も聴きました。
いまも聴いています。

 

今日は、
日曜日、

よく晴れた秋日和です。

音楽のおかげか、
すこししあわせな気持ちです。

我が家の金木犀に黄色い花が咲きはじめました。
清々しい香りの花です。

朝には、
道端の陽だまりにオキザリスのピンクの花たちが風に揺れていました。

もう午後ですが、
まだ陽はあたたかく窓辺から射し込みます。

静かです。
小鳥の声も聴こえてきます。

「Cheep Imitation」は、ジョン・ケージによって作曲された曲です。

高橋アキがピアノを弾いている「Cheep Imitation」は、
高橋アキのピアノソロで「Cheep Imitation」が弾かれて、
その後にモートン・フェルドマンが編曲し高橋アキに捧げられたピアノとフルートとグロッケンシュピール(鉄琴)のための「Cheep Imitation」の演奏があります。

「Cheep Imitation」は、
サティの「ソクラテス」を題材としてジョン・ケージによって作曲されました。

サティの「ソクラテス」をわたしは若い頃から、聴いてきました。
デルヴォー指揮でパリ管弦楽団、ソプラノのマディ・メスプレがパイドン役として歌っていました。

「Cheep Imitation」はケージがサティに捧げた音楽です。
その曲をモートン・フェルドマンが編曲して高橋アキに捧げたのです。

 

そこに小さな光が見えます。
そこに幸せがあるでしょう。

「Cheep Imitation」は、”この世界”へのとてもやわらかい”捧げ物”と言って良いと思います。

 

この世界には呆れてものも言えないことがあることをわたしたちは知っています。
呆れてものも言えないのですが言わないわけにはいかないとわたし思えてきました。

 
 

作画解説 さとう三千魚

 
 

* 高橋アキのCD「高橋アキ プレイズ ケージ × フェルドマン via サティ」(カメラータ・トウキョウ)

 

 

 

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