詩2 トーキョーセッションIn Japan2024(ポエマー)

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今井義行

 
 

〈まずは、堕胎……、から、始めよ!〉
……、と、ポエマー※1の僕は、記したのだった。
聖地「ウグイスダニ」
レオンパレスウィステリア2
……、という…、この建物の……、
……、地下2階へと……、
僕は、降りていった。
ひとりのをんなが、天井から吊り下げられて、
「堕胎させてください!堕ろさせて!」と、
叫び声を響かせている……。
或る業者が、彼女を、用意してくださったのだ。
彼女は……、
存在は、しているというだけで
プロフィール、なんて、
置き去りにして 生きて
いる……、という具合だ……。
……、他人からひりださせられる、自分からヒイヒイとひりだす……、というのが……、彼女の……、愉悦の中核にあるのだ、と僕は、想う。自分から望んでやられる、自分から望んでやるという、被虐・加虐の背中合わせが中核にあるのだ、と僕は、想う……。

近頃では、このような、声も、聞いた!
「そんなことばかり、書いていてはいけない!
……、ヨシユキ。それは、とても危険だ!」
「詩が、泣きます。或いは、笑います。やめて!!」
でも……、それも、
「詩人」の、魂でしょう。
虐げられる、歓びあり、虐げる、歓びあり、
……、例えば現世での詩賞の候補……、だとか、或いは、原稿依頼だとか……、そのようなモノに……、
「僕は……、もう関心を奪われたくないのだ。」
そういうものに、拘る人たちのことが、僕は、今では、好きではありません。
尤も、制作費を捻出できないから、僕は……、もう詩集を出版できないけどね。
現代詩、のような、紋切型になるな! 
すべての、「詩人」さんッッ……、
すべての、「詩人」さんッッ……、
それも、
「詩人」の、魂ですよ。
ってか、僕は、単なるポエマーだから、      
という、以前にさ……、 「堕胎プレイ」
が、だーい好きであり、また、
僕自身も、彼女に、身を置き換えて、「墮胎プレイ」を、今強いられているのだと、想像に耽ることが.大きな悦びとなっているのだ。
僕もまた、全裸で、天井から吊り下げられて、きっと誰かに視られているのだ。その状況に、すっかり高揚してしまうのだ……。
困ってしまうほど、の、性癖なの、さ!  

人間の基本、「性」について、露わに書くことに何の問題があろうか?
どのような者が、このような状況を、用意してくださったのか?
性の……、天使か?!
被虐・天井から吊るされている、
痴女。
そいつは……、強烈な、堕胎ズキ!

加虐・パックリ開いたあそこからシカバネ、    
シカバネ、落とすぜ!
愉楽の為には、ヒトの命なんて顧みないぜ!スキスキ……ズキズキ!
変形された悦びが……、わたしたちの悦びそのものとなり、
血だらけの裸の肉塊が、
そこに蠢いて、「ひとりの熟年の男主人」は、
その中核に、存在しているというわけなのだ。
「ひとりの熟年の男主人」というのは……、
ポエマーの、僕、であった。変形された悦びが……、わたしたちの、悦びの中核となり、
そよ風の……、吹く……、
逆さまに、天井から吊り下げられて
いるだけ、
「奇妙な果実」みたいに、さ
……、見た者に、つらい衝撃を与えるものでは
なくって、ね……、悦びだけ、ね……!

※1 聞いていて恥ずかしくなるような詩的な表現を頻繁に使用する人を意味する語。 英語で詩人を意味する単語は「poet」であるため、ポエマー「poemer」は和製英語である。(ネット辞典より)

 

〈まずは、堕胎……、から、始めよ!〉
……、と、ポエマーの僕は、記したのだった!
それは、さ、
喪うことから……、始めようというワケでね。
文学的過ぎるのかもしれないが……、でもね、それは、
僕が、僕を生かす……、手立て……、でも、あるの、さ。
さー……!
さー……!
さー……!

intermission
僕は……男遊び、にも……、熱中していた頃、がある。
1986年から、2020年頃までは……、
エイズで死なないように……、死なないように、
やたらと気をつけて、セイファーセックス、
ばっかり、
していたよ。
親を遺して死ぬわけにはいかない、と想っていたけど、本当は苦しむのが怖かった、だけなんだ。
コンドーム無しで、生で種付けされたり、精子を飲み干していた方がしあわせ、だった、と思います。
そのうちに……、
クッソー、歳、くってしまったぜ……、
ぜッッ……!
ぜッッ……!
ぜッッ……!
喪った分、取り戻そうに思ったら急に、
異性愛にもまた、目覚めてきちゃって……、
乳首は上を向き、尻には張りがあって。そんな、世界。

もう、劣化して、おちんちん、勃たないから……、おちんちん、勃たないから、さ……、
性器を使わなくても、良い……、
「ウグイスダニ」の、特殊性愛クラブに、入会した、というワケなんだ。

 

ひとりのをんなの、またぐらから出てきた
もう息絶え耐えの、ちいさないのちを……、
ひっぱりだして、僕は、ゆかに捨てた……、愉楽。
と、ポエマーの僕は、書き留めた……。
さらに、続く……、
trumpet!

percussion!

piano!

そのような……華やいだ、演奏に支えられて
僕たち、は……ズキズキ……と、死ぬ、生きる
死ぬ、生きる? 死ぬ、生きる?
「いやだーッッッ……!」
「はあッッッ?」
「いやだーッッッ……!」
「はあッッッ?」
生きる、死ぬ?
生きる、死ぬ?
さらに、続く……
trumpet!

percussion!

piano!

 

(2024/02/24 グループホームにて。)

 

 

 

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