きのうの
夜
雨にぬれた
ブロック塀を抱えて部屋に
帰った
雨にぬれた
ブロックはいった
片隅は永遠につながっているの
ブロックを抱えて
遊ぶ
ブロックを抱いて
遊ぶ
片隅は永遠につながっている
片隅は永遠につながっている
きのうの
夜
雨にぬれた
ブロック塀を抱えて部屋に
帰った
雨にぬれた
ブロックはいった
片隅は永遠につながっているの
ブロックを抱えて
遊ぶ
ブロックを抱いて
遊ぶ
片隅は永遠につながっている
片隅は永遠につながっている
遠い
声に
おびえる
おびただしい
おびえる
つかえないコトバにおびえる
どこかで
密約があったのだろうか
村をやき
民をころし
おびただしい死があった
わたしの祖母の瞳が灰色になった
うすい
空色のなかに
白い雲がうかんでいる
こと
うすい空色のなかを
燕たちが複雑な線をひいて飛ぶ
こと
きみとモコがにっとわらう
こと
晴れた日当たりのよい場所にいること
ありえないこと
ありえないこと
たしかに
架かっているのだろう
あちらと
こちらのあいだには
今朝
燕たちの飛ぶのをみていた
燕たちは複雑な曲線をひいて飛んでいた
燕たちに橋はいらない
燕たちに橋はいらない
電線にとまって
赤い首をねじって鳴いて
すぐに
飛びたっていった