木村屋總本店特製ドラ焼き

 

佐々木 眞

 
 

こないだおらっちが、セイユーで買ってきた大好物のドラ焼きを食べようと、冷蔵庫を開いたら、影も形も無かった。

きっと、コウ君に、食べられてしまったんだろう。

ドラ焼きは、木村屋總本店の特製で、「蜂蜜入りのしっとり生地」が特徴だ。
税抜き価格68円と安価で、「つぶあん」と「さつまいもあん」の2種類があるが、おらっちは、どちらかといえば、シンプルな前者を好む。

しばらくして、冷蔵庫を開けた妻のミエコさんが、「きゃああ、私が大事に取っておいたチョコレートがない!」と叫んでいる。

これもきっと、コウ君に、食べられてしまったんだろう。

コウ君ときたら、まるで欠食児童、みたいだ。

施設のご飯の分量が少ないうえに、食後におやつもデザートも出ないから、金曜日の午後に帰宅したコウ君は、“100年前から飢え続けの狼”のように、なんでもかんでも、がつがつ食い荒すんだ。

いいよ、コウ君。なんでも食べな。
お前さんの好きなものを、いくらでも食べな。

まもなく私たちが居なくなって、ホームが家の代わりになったら、ドラ焼きも、チョコレートも、あんパンも、アイスクリームも、自分勝手に食べるわけにはいかなくなるだろう。

だから、いまのうちに食べておきな。
ドラ焼きも、チョコレートも、あんパンも、アイスクリームも、
なんでも、かんでも、君が好きなだけ、食べていいよ。

いまのうちに、どんどん、じゃんじゃん、一生分を食べておくんだよ。

 

 

 

柔らかい重さ

 

辻 和人

 
 

ぐにゃり
柔らかい
重さ
誕生から一夜明けて
「お父さん、じゃあ抱っこしてみて下さいね」って
手渡された
ぐにゃ、おっとっと
「あ、さっき言いましたけど
赤ちゃん、まだ首がすわってないんです。
頭が大きい割に首は細くてしっかりしてないので
首と頭を押さえないと神経痛めちゃうんですよ。
抱っこする時いつもいつも首のこと第一に考えて下さい」
保育ベッドから取り出されたこかずとん
真っ白なおくるみの中で目を閉じたまま
ぐにゃりとしてる
その中でも一番ぐにゃるトコ
ここ大事
大事なトコ左手でがっしり押さえ直して
「よーしよし、いい子だな」小声で呼びかけると
赤い身をちょいとひねったこかずとん
ぐにゃ、ぐにゃり
細い首が微かに傾いで
返事してくれる
柔らかさと重さが溶けあった
こかずとんの返事だ
重さが柔らかい
細くて大事
いつも大事

 

 

 

あまりにあまりな春よ

 

ヒヨコブタ

 
 

桜が咲き誇る日を遠い目で眺めていたときはすぎ
沿道のツツジは満開に。
春から夏へと移りゆく時季を待ち望んでいたのは
少しでもよい兆しを待っていたからだろう。
かなしみに押しつぶされそうなニュースが続くのはなぜだろう。
あまりに、あまりに。

時間の経過とともに癒されるということをわたしじしん信じて生きてきた。
生きていられるうちには喜びが感じられることを信じ続けてきた。
少しの喜びでいいのだ。大きなものを望むとき、人は尊大になりすぎる。

歴史というのは何かと考える。
人のあり方について考える。
今なお戦禍にある人たちに尊大になってはならないと戒める。
それでもことばや気持ちにこころがずきずきする。

過去を知ることは未来に必ず繋がるのだろう。
その過去への認識を誤ってはならないと更に戒める。

知らないふりをして生きてはならない。
外国から見たこの国のありよう、犯した罪、
それらは事実として学び続けなければ
また一歩ずつ認識がずれていくのだろうと
それがかなしい。

受けとめ、思考すること。
いったん手放して現実のなかにいることを確認すること。
同時並行でできることは確実にあるのだと。

嘘を並べればそれらは必ず明らかになる。
ズルをすればじぶんまではだませない。
そんな生き方しかできないけれど
今日も少しの勇気を持って一歩踏み出す。
かなしみや怒りにとらわれすぎぬように。
他者やじぶんを責め過ぎぬように。

あまりに過酷だ。生きるというのはときに。
それでも喜ぶことが互いにあると信じれば
明日は必ずあるのだと今日も踏み出す。

 

 

 

THOSE WERE THE DAYS, MY FRIEND

 

工藤冬里

 
 

Apr 17

Apr 18
中西龍
https://youtu.be/ZQHDUmiujc8

Muerte, ¿dónde está tu victoria? Muerte, ¿dónde está tu aguijón?


https://youtu.be/s2AVr0-R0G4

Apr 19
「失われたのはパブリックである」から10年経った。今や世界は音声off機能の無いzoomのようなもので、理性の外側の領域の炙り出しが始まっている。強者と弱者はメビウスの輪のように絡み合いながら共に死滅するのだ。

私は自分の頭がネズミの頭のように小さくなったのを感じた。死ぬ前に一回り小さくなるのは知っている。

前もって死体を溢れさせている、現象ですらない裂け目が私である
らしかった

「悪にでもなる」がコンビニに溢れていた時期があった。裂け目としての自分があり得ない未来に跳躍するのが希望なら、つまりその等式が希望なら、私たちは「ナチにでもなる」

40万と聞いてそのクラスなら「目覚める前に遺伝子組み換え添加物漬けにする」の符牒だったのでは?と一瞬は思った

Tengo esperanza de que va a haber una resurrección tanto de justos como de injustos

Apr 20
ロンドンに居た頃日本語というと義父から毎月送られてくる文藝春秋しかなかったので頭のなかがすっかりおじさんになるという剰余享楽を体感しました
https://twitter.com/KS_1013/status/1513954014538637312?s=20&t=oJilCN9ubciA2jsYJ5FYBw

日常など続いていくわけがない。右手と額のしるしが続いていくだけだからだ。明日がデジタル・タトゥー化されていく進み行き
進み行きて大江の文末によくある
大江

人間が戦いを終わらせることができないのはなぜだと思いますか

藤棚の傍には必ずホークウィンドのジャケみたいなmumble beeがいるが怖くない

山越のsikuruスリランカでゲロおいしかった今日はホタルイカ

Apr 21
クラクラアブリール

足を洗ってカウンターだけのサイフォンを始めて、おいこれなんだっけママ、都忘れよ。

年号や数え年の共通点はゼロを1と見做すことである
令和ゼロ年の不在は不在(ゼロ天皇)自体を積極的に規定するものと見做される
それは既存の天皇に含まれない全ての天皇を一つの年号として含む
これはすなわち天皇としての浩宮、天皇全体の一部ではない部分としての浩宮part of no partなのである

だから数え年の人生は、人間が絵の一部ではなく、絵についた染みであることを正しく示しているのだ

いや僕も最初はアブリルラヴィーンか思てんけどな、オカンが言うには、店長自ら炙ってくれるらしいんや

毎日がXデーです
ヒロシ

I wanna be your dogは淡々と歌わないと眈々とはならんとです

Apr 22
重層を使うことを思いついた時点で路地の鉢植え氏は負けていた
逃げる場所は非決定ではなく逃げる場所がないという決定だからである

リベラル左派の分断こそがパンデミックの目的であった
そしてそれはこういうことかと接種してみせる魂が逆説的に命の芳名録にカウントされたのだ

Le digo a cada uno de ustedes que no piense de sí mismo más de lo que debe pensar

ポンコピピンはびっくらポンコピピンに変えたらいいと思う
今来たがってるのは城戸君、ゑでぃさんたちとかだけど投げ銭以上の援助が出来ないのがパンデミック以前みたいで

THOSE WERE THE DAYS MY FRIEND
https://youtu.be/2KODZtjOIPg

Había paz en la región.

近い戦争と遠い戦争がある。きみたちは戦争の音、戦争の知らせを聞く。

https://6105.teacup.com/iaf/bbs/5615

Apr 24
白い、薄汚れたとまではいかないけれどトドのように大きい
千羽鶴を折る時間を生贄にする
理性
ロギコス
合理的な
聡明な
言語化された原則の、文法を理解する
規則を探すな

無差別攻撃を避けるためにプロにやらせろという一理は宇田丸の押井新作への批判を少しばかりは、虚無の鏡餅の上に乗ってるお飾り付けた蜜柑くらいの一理という意味で、ずらしますかね

Me alegra recibir insultos

飛行機の残骸


https://youtu.be/0awFe4yYFzo

Apr 25
Sigamos amándonos unos a otros

コブラで落ち着くのはエンタメとして良いがじゃ参加ウグライナフェンの戦果どうなったんだと諦めの地盤沈下

八重までも散って呑み込む茶漬哉

 

 

 

#poetry #rock musician