temple 寺

 

紅白を
はなれて

ひとり
高橋悠治さんの

インヴェンションとシンフォニアを聴く

なぜ
シンフォニア11 BWV797を聴くのか

わからない

北の姉をおもう
北の母を憶う

そこは真っ白の雪が降っていて

姉がいて
母がいる

寺は胸をひらいている

 

 

 

suppose 思う

 

今夜は
山側に座った

11E席

小田原を通過した

地獄の扉をひらき
訪れるコトバを待っている

熱海をゆっくりとすべってゆく

扉の向こうのいとしいヒトよ

きみの名はしらない
きみの声はしらない

こだまよ
いとしいヒトよ

伊右衛門という濃いみどりの茶を
飲み干せよ

ゴーと鳴ってすべってゆく
ゴーゴーと鳴ってすべってゆく

 

 

 

間違えてつくった光のほうが儲かる

 

爽生ハム

 

 

灰色を空とすれば、陸はもっと鈍く暗いのかもしれない
果てそうな先の話にとどこおる、前提としての光

現、エアコンディショナーの送風ごときにリミットなどハズレる訳がない
送風と喉の相性がいいことに… 配給車を襲う、甘んじた難易度の低さ

たてつづけに焼き魚を食べる、鮭から赤魚粕漬へ
延々と耳から赤い血が たまらない、とまらない
膝でこらえる親子の愛が膝にのしかかる親子の失語へ
おおらかに見開いた目、鼻、感情とおぼしき

前例、人の手の形状にそって加工されていく仏壇から石までの灰さ、幼さ、罹災くる
とにかく練習
それを忘れるくらい
他意とホース

遅れて搾りだされる蛇口の水
遅れて巡りあわさる再会の場
背けて愛になる
今頃… 自分が会いたい人に会えているはず

散らばる大根の葉
おろした白い水が焼き魚を濡らす

色は、人が丁寧に配合して、できている

木漏れ日の陰影と空と陸の陰影
写真をもう一度、外気に触れさせて一緒にプールで泳ごう

表情の陰影
今頃になって、破水
スーパーで耳から血を流した、あの頃の
着色がなまなましい

ある種の暴力によって、混ざると分離した、銀色の反射する水、信じようとする自分が映る
進んだ先は何年後か… 同時期に起きている 形が似ている、ただそれだけの回収

そんな時は演じてみる、人の言葉を盗んで人に記憶を盗まれる 託されたと合致したらば記憶を回収する為に、冒険にでるのは必然かもしれない
たいそれた冒険の危うさ、それを無視してでも同時期にでてきたものを繋げる

回収なんてされないのだから
会いたい人と会えた、会えなかった裏側の暴力だとしても
これは、10年後とする…

紫のハンマーを手に入れた 紫の軍手とともに手首からのびる、一貫して律儀なジェスチャー
叩いた壁は白く粉吹く
直立させれば長くそびえ建つ
壊したくても、もう、壊れている

マンションの住人の利用を想定したコンビニへ、買い出し
誰かの家族がバイトしている、君の成長をも気にしよう わりとここは平和だから

出棺する前に、もう一度立ちあがって=( )に、もう一度立ちあがって
ポートレイトを撮らして
横たわっていたら、動物のようだよ
寝たかと思っていたら、声が返ったよ
応答が遅いと時間に負けるよ

44階建ての分だけ、ふるさとがのびている
上の方はホコリがとりにくい
ハウスキーパーが昇る月に涙している
拝むにも習慣が必要、必要に迫られないと習慣はできないのか「習慣にしたくない。」即座に拝み「拝めない。」瞬時に反復にかられ「反復したくない。」拝んだ解氷は苦みをやわらかくする「和らがない。」

苦しみを誤りなく摘みとることは難しい 君の信仰も振り付けされる
挙動が安い値段で取引される
迫害を介護する第三者が寓話に帰ってしまう前に、噛んだ言葉の味を食べやすいように変えられるはず

脈のない動物をハンマーで起こす、壁を壊して、扉をノックして、像を切り出した
こんなにも紫に混ざり合う掌を使って

今朝、コンビニでプリントアウトしたポートレイトを持って、エレベーターに乗った
ほんの数秒で東京が見渡せる ほんの数秒でこの街を抜け出せそうだ ほんの数秒で煙になる ほんの数秒で過去になる ほんの数秒で一個人になった