帰省から気づくこと

 

みわ はるか

 

 

最近過疎地域へ都会からの移住者が増えてきているそうだ。
わたしの故郷の町も例外ではない。

四方を山や田んぼにに囲まれ、空気は澄み、そこでとれるお米は本当においしい。
川に行けばきれいな水にしか生息しない生き物に出会えたし、夏には蛍がたくさん飛び交っている。
豊かな自然に恵まれたそんなところだからこそ都会の人の目には美しく映るのかもしれない。
ビルばかりの街並みで、時間に追われた生活から癒しを求めて。

先日久しぶりに故郷の友人に会いたくて実家に帰った。
友人とはあるピザ屋さんで待ち合わせをしていた。
場所を確認するとわたしははて?と思った。
こんなところにそんな洒落たお店があったとは記憶していなかったからだ。
待ち合わせ場所に着くと、確かにそこはピザ屋さんだった。
なんとそのお店の隣には山羊を数匹飼っていた。
友人の話によると古民家を改装して、東京から移住してきた人が経営しているのだそうだ。
中も落ち着いたお洒落なかんじに仕上がっていてお客さんで賑わっていた。
メニューも豊富で、メジャーな種類のものからこの町で採れる野菜をふんだんに使ったものまで幅広かった。
味も申し分なく、価格も適正だった。
しっかり食後の紅茶までいただいた。
なんだかとても幸せな気分になった。
外に出ると、小さなお土産屋さん売り場が併設されて いた。
これもこのピザ屋を経営している人が切り盛りしているらしく、温かい雰囲気のお店だった。
決して大きくはないけれどこの町の特産物や、手作りのアクセサリーなど、ここの風土に合ったものがたくさん売られていた。
この町で生まれ育ったわけではないのにも関わらず、こうしてこの町のアピールをこんなにもしてくれていると思うとほっこりとした気分になった。
それと同時になんだか自分が恥ずかしいような気分にもなった。

ここ数年、この町では使われていない空き家を求めて都会からの移住者が増えている。
そこを改装し、そこに住んでいるのだ。
お店をやったり、畑や田んぼなどの農業に従事したり、いい土が採れるのでそれを使って陶芸をしたりと生き方は様々あるようだ。
この町を出ていったわたしが言うのも説得力がないかもしれないけれど、願わくばこのままこういう人たちが増えていってほしいと思うし、10年20年先までずっと居続けてほしい。
故郷が衰退していくのはやっぱり見たくない。
自分が通った学校はそのままで在り続けてほしい。
運動場からは子供たちの声が聞こえ続けてほしい。
道沿いに植えられた桜が満開になるころに開催される歩け歩け大会、多くの人からの善意で集められた鯉のぼりを一番大きな公園に泳がせてその下でお弁当を多くの人が食べる光景、町の有志で結成された太鼓チームの演奏や多くの屋台・みんなの楽しそうな笑い声・大輪の花火で締めくくられる お盆のお祭り、木造でできたドームの中で行われる綱引き大会、たくさんの雪が降った日には小さな子供たちが集まってかまくらをつくる。
四季折々のこんな光景も昔は当然やってくるものだと信じて疑わなかったけれど、大人になった今はそうではないことがよくわかる。
どれもこれも人の力が必要で、人が動くことで出来上がっている。
これからは、内の人の力だけでなく外の人の力も借りてこの町の活性化が進んでいくことを望んでいる。

わたしも今まで以上にこの町に足を運ぼうと強く思った。

 

 

 

Les Petits Riens ~三十六年もひと昔

蝶人五風十雨録第10回「二月二十八日」の巻

 
 

佐々木 眞

 

 

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1981年2月28日 土曜
土曜日なのに会社がある。アパレル産業協議会のカリキュラムを作る。急死したボンド氏のピンチヒッターなり。

1982年2月28日 日曜
藤沢の神奈川県青少年会館にて自閉症児者親の会「やまびこ会」の臨時総会を開催。出席者15名。藤沢の大貫氏、両高橋氏が積極的なり。

1983年2月28日 月曜
なんとなく書類の整理などして、嵐の前の静けさか。

1984年2月28日 火曜 はれ
徐々に暖かくなる。次男が「キン肉マン」の漫画を図書券で買う。この頃絵を描くのが好きになってきたようだ。長男は学校へ行くのが厭だという。青木さんアデンダの雑誌広告でTCC新人賞を受賞。

1985年2月28日 木曜 雨 寒
長男は風邪でずっと学校を休む。今日は耳が痛くなって芋川耳鼻科へ行く。感心に耳と口は診せたが、鼻は駄目。東洋現像所にて0号試写。2種のうちAタイプに決める。夕方講談社HOTDOGの原田氏と会う。

1986年2月28日 金曜 ハレ
AD会議。下らぬ。夕方シオンのライヴ・イベント。渋谷のカプセルホテル泊。

1987年2月28日 土曜 はれ
会社休みて芋川耳鼻科へ。ウオークマン難聴で依然聴こえず。昼銀座三越にてシネマウイークのプレゼン。スターロンの「オーバー・ザ・トップ」みる。次男の奇跡の生還を祝して、家族4人デニーズにて会食す。

1988年2月28日 日曜 晴
成田12時20分着のはずがロンドン・ヒースロー空港の電気故障でまたもや延着。機体全とっ換えで成田には4時着。ともあれ無事帰国できて良かった。

1989年2月28日 火曜
浅野、小森氏を迎え東コレ打ち合わせ。テーマはスーパーザウルスなり。予算750万で大丈夫なりや。シャネルの現売ショー、1回1億円の売り上げなると。

1990年2月28日 水曜 はれ
久しぶりに晴れる。西部百貨店の新社長に水野氏。43歳なり。今井氏は当社の副社長になれず、定めしショックならむ。夜、真鍋太郎氏の個展に顔を出す。

1991年2月28日 木曜 寒
開戦から6週間、地上戦開始から100時間、湾岸戦争終結、ブッシュ大統領が勝利宣言。イラクは国連決議を受諾す。INショップが宇都宮東武にオープン。

1992年2月28日 金曜 はれ
IN店長会を休んでJクルーのパンフの見本作り。本当は「ボヴァリー夫人」をみたかったのだが。すべてが遅れているので焦る。

1993年2月28日 日曜 雨のち晴
午前11時、初めて覚園寺を訪ねる。なかなか風情のある寺なり。僧ありておよそ1時間いろいろ解説す。今から800年前に北条時宗が創建、700年前に足利尊氏が再建したそうで、天井に尊氏の文字があった。その後首塚、永福寺に回る。

1994年2月28日 月曜 はれ
だいぶあたたかくなてきた。少し体調が元に戻ったように感じる。

1995年2月28日 火曜 くもり
おととい貴之花が元フジTVアナウンサーの河野景子と婚約した。彼女には会ったことがある。永代に行き、井出と話す。見事な現状分析による鋭い企画書を書いていた。キムラヤにてさらに7枚のCDを買う。

1996年2月28日 水曜 はれ
DM、カタログ打ち合わせ。西銀座スタジオにて日隈、中野両君と7DaySビデオのダビング。次男ムサビに落ちるがめげず、逆に予を励ましてくれる。

1997年2月28日 金曜 晴
今日は完全に怠けるつもりで会社へ行った。昨日の鴨下さんの発言の波紋が職場に流れている。藤沢周平の「白き瓶」読了。長塚節の哀れな生涯。しかし余もまた然り。ルービンシュタインのブラームス協奏曲第1番のCDを買う。

1998年2月28日 土曜 はれのち雨
妻とムクと果樹園に行く。梅8分咲きか。されど匂わず。午後卓ちゃん来訪。5人でカレーを食べる。卓ちゃんワードをインストールしてくれる。

1999年2月28日 日曜 はれ
熱、夕方7度近くになる。風邪か、それともプレッシャーか。高知で脳死の人、心、肝、腎の三臓を差し出す。来週土曜のためのテキストを打つ。来週部長にならむとす。

2000年2月28日 月曜 晴
11時小学館梅沢氏。矢沢、小野氏を紹介してもらう。午後4時半、電通古川氏。東北、九州の仕事を紹介してくれるという。夜マガジンハウスの倉田氏に御馳走になる。宝島のレップにならないかと。余は知らずして瀬戸口氏に傲慢なりき。次男が藝大大学院合格。

2001年2月28日 水曜 くもり 風強し
「プレイボーイ」鈴木氏への企画書を作るが、プリンターにトラブルありて苦労す。妻は「やまびこ会」のOB会に出席。若手と別れようとして、かえって苦労している。可哀想なり。

2002年2月28日 木曜 くもり 暖
終日ワードをやるがなかなか終わらない。夜佐藤から℡ありて工藤さん宅にいるという。石原、有馬などの同級生と一緒だというので驚く。文芸社高橋氏に請求書送り、山口氏から「主婦の友」の分入金。

2003年2月28日 金曜 晴
お茶の水SPビル8階にメデイアレップの森社長を訪ねる。「テレビサライ」の編集長を紹介され、余の新提案をぶつけよと示唆される。青柳君の神保町の事務所を訪ね、夜、銀座資生堂のワードにて玄侑氏が美女に催眠術をかけるを目撃す。あやしの業なり。

2004年2月28日 土曜 くもり
昨夜次男帰宅し、申告書類を作る。私は長男と喧嘩したので、「もうお父さんと暮したくない」といわれる。今朝、長男次男と3人で熊野神社まで散歩。午後次男が帰ると寂しくなる。

2005年2月28日 月曜 はれ
のどをやられて熱あり。耳鼻科のカクさんで診てもらう。文芸社リライト第1次終了。明日追加原稿が来る。

2006年2月28日 火曜 陰 寒
中野の工芸大にてコピーライター志望の優秀な学生に会う。今日で2月終了につき、長男ふきのとう舎より帰宅す。民主党の阿呆莫迦永田議員が謝罪す。前原は代表選に出ず。

2007年2月28日 水曜 晴 暖
文芸社アップす。風呂沸かし器みてもらう。2100円也。熊野神社頂上でカトリックの尼さんに会う。中国バブルで全世界で株価が下落す。

2008年2月28日 木曜 晴 ○
工事順調、コンクリ打ちが終る。妻は渡辺さんたちと外出。長男の来週のホームステイがなんとかOKになる。ついに文芸社来る。30万円也。

2009年2月28日 土曜 陰
経済危機ますます深刻。太刀洗いにカエルの卵あり。

2010年2月28日 日曜 雨のち曇
冷たい雨の中、3人で生協へ行く。午後から晴れてきたり。チリでM8.8の大地震ありて津波予報出たり。

2011年2月28日 月曜 氷雨
物凄い寒さのなか、中目黒の「青山目黒ギャラリー」で開催中の次男の個展「still live」をみる。作品もよく、オーナーもとても良い人。青池夫妻と同道の先生にも会う。

2012年2月28日 火曜 くもり
昨日母もホームステイへ。余は文化で講義。

2013年2月28日 木曜 晴 暖
都美術館の「エル・グレコ展」と東博の「円空展」、さらに埼玉美術館まで足を伸ばして「ポール・デルボー展」をはしごする。

2014年2月28日 金曜 晴 ○
あたたかし。太刀洗い第一現場にてアカガエル産卵す。親カエルが良い声で鳴いていた。

2015年2月28日 土曜 曇
本日にていちおう十二所リニューアル終了。台所とバス等を直して530万強なりき。

2016年2月28日 日曜 はれ
太刀洗から朝夷奈峠へ行ったが、産卵しているのはやはり第一現場だけ。しかし大小2種類の卵があり、大きいのはヒキガエル、小さいのはアカガエルであろう。
今年は今月13日にアカガエルが産卵し、その後しばらくしてヒキガエルが続いたが、いずれも例年より数が少ない。毎年こうやってカエル君の繁殖に手を貸しているのだが、徐々に絶滅の道を辿りつつあるような予感がある。
アメリカ大統領の予備選が始まり、共和党のトランプが跳梁跋扈しているが、鬼面人を驚かせるこの男が、歯に衣着せぬ本当の本音をぶちまけているからだろう。
普通の人ならいくら移民嫌いでも「メキシコ国境に壁を作れ」などと言いたくても我慢して言えないし、言わないが、良識と廉恥心をかなぐり捨てたこの排外主義者は、民衆の俗心の代理人のつもりで平気で口にするから、拍手喝采を浴びるのである。
「文化のない本音人」は「文化のある建前人」によって敗北するのが文化文明の世の常識というものだが、このアメリカのイトレルは、本邦の猪八戒イトレルと同様、もしかすると、もしかするかもしれない。
共和党と民主党でトランプとサンダースという左右の極端派が進出し、クリントンのような中庸派を震撼させていることは、ある意味でEUや中東イスラム教徒国の内部分裂・抗争、この国の右翼独裁体制と軌を一にするもので、大統領選の結果次第では、万人が万人の敵となる恐怖の世界大動乱の幕が切って落とされるかもしれない。

 

 

友愛てふ言葉床しき藪椿 蝶人

 

 

 

先輩の話

 

爽生ハム

 

 

原美術館って今、なにやってる。
融通きいて待ってる、怖くなって逃げた。矛先はダブってる、これみよがしに茶を欲しがった、北品川の食堂で熱い昆布茶を飲んだ、今日があがる、その頃には結婚は済んでいて、夜は三時間ほど眠るのでじゅうぶんでした、旦那の可愛い寝顔が寝かせてくれませんでした、タクシーの白いレースが着物の女に見えて、姑の香水が鼻を殴った、途中で下車した街は小麦粉の国でして、そうとう嫌いな人を負かす事に成功した夜だから、行けた国でしょう、アドレナリンが溢れて喉がからっからっだったので、風邪をひいて帰ってくる羽目に、お気に入りのピーチネクター冷蔵庫に残ってた、ホッと安心、安心したら逆回りの人生が、結婚前に折り鶴を逃がしてきた事を思いだし、ピーチネクターから桃源郷を譲り受けた気分に、タクシーの中にいた時間は夜でしたか、タクシードライバーに聞いた、あれうちの旦那、旦那の親の持ち家に帰ればストーブの前でスリッパが燃えていた。魚のようにへばりつくスリッパのゴム、帰りが遅れてたらカーペットも燃えたかも、ちょっと後悔した。よりリアルな間がとれるようになった今日この頃。あっぱれ
先輩はやく迎えにきて
北品川の食堂で昆布茶飲んで
待ってる。反ってる。祝ってる。
夜は三時間ほど眠るのでじゅうぶんでした。旦那よりも可愛い寝顔はわたしでした
柔術の先生に海苔を巻いてみて、
海苔の人文字がパリッとあがって美味しそう。
闘わない方が師範だよ、殺しにいく方が旦那だよ、先生、私、もう結婚は済んでいて
時間に融通がきく自称遊び人なのよ。先輩の落とした夜は四時間ほど、後輩に授けた夜で遊んだ人、
だいたい背中の汚ない旦那にあげる。あー、胸くそ悪い、こやつとまたセックスかい
だいたいこんな性行為で産まれてくる。海苔がパリッとあがって美味しそう。
とにかく卵黄、わたしも大好きいっつも卵黄、液体垂らしてあぶれる器に乗っかる月夜が順番にくる
待ってたの先輩、わかってたの
飽きた。行為の連続
考える暇もなく動く、わたし尖ってる。名前ばっかで眠そう、わたし眠そうわたし眠そう、落ちてる落ちてる行為の連続。
まぁ、他人の事も言えないんですけどね。右翼の少年に暗殺されてた、あの頃、卵黄を飲んで過ごしていた。右翼の包丁を研いでた、政治家はどこへ。あん、政治家なんてどうでもいい、わたしは先輩を取り返したいの。
融通のきく旦那の前の包丁、
料理はもうしなくていいのよ、包丁であける未来は特に何もない。
怖くなって逃げた。
怖くなって逃げた。
面白くなって、捕まった時間の事を想像できたら実行して、でもその前に好きな人に好きって言うのよ、はちきれんばかりの人文字でわたしを解放。広く狭い路地を走っていても、わたしの汁や内蔵が飛び散るから、ここは天国みたい。おっとここは北品川だ、実に本質だと思う北品川だ、原美術館の方じゃなくて、商店街の方の所だった。
昆布茶を飲みきるまでに考えれる事はいくらでもあるから、自由に飲み干せよ、本当にそのあと死んでもいいんだから、昆布茶くらいはせめて、残してもいいのだ。

 

 

 

帰省から気づくこと

 

みわ はるか

 
 

最近過疎地域へ都会からの移住者が増えてきているそうだ。
わたしの故郷の町も例外ではない。

四方を山や田んぼにに囲まれ、空気は澄み、そこでとれるお米は本当においしい。
川に行けばきれいな水にしか生息しない生き物に出会えたし、夏には蛍がたくさん飛び交っている。
豊かな自然に恵まれたそんなところだからこそ都会の人の目には美しく映るのかもしれない。
ビルばかりの街並みで、時間に追われた生活から癒しを求めて。

先日久しぶりに故郷の友人に会いたくて実家に帰った。
友人とはあるピザ屋さんで待ち合わせをしていた。
場所を確認するとわたしははて?と思った。
こんなところにそんな洒落たお店があったとは記憶していなかったからだ。
待ち合わせ場所に着くと、確かにそこはピザ屋さんだった。
なんとそのお店の隣には山羊を数匹飼っていた。
友人の話によると古民家を改装して、東京から移住してきた人が経営しているのだそうだ。
中も落ち着いたお洒落なかんじに仕上がっていてお客さんで賑わっていた。
メニューも豊富で、メジャーな種類のものからこの町で採れる野菜をふんだんに使ったものまで幅広かった。
味も申し分なく、価格も適正だった。
しっかり食後の紅茶までいただいた。
なんだかとても幸せな気分になった。
外に出ると、小さなお土産屋さん売り場が併設されていた。
これもこのピザ屋を経営している人が切り盛りしているらしく、温かい雰囲気のお店だった。
決して大きくはないけれどこの町の特産物や、手作りのアクセサリーなど、ここの風土に合ったものがたくさん売られていた。
この町で生まれ育ったわけではないのにも関わらず、こうしてこの町のアピールをこんなにもしてくれていると思うとほっこりとした気分になった。
それと同時になんだか自分が恥ずかしいような気分にもなった。

ここ数年、この町では使われていない空き家を求めて都会からの移住者が増えている。
そこを改装し、そこに住んでいるのだ。
お店をやったり、畑や田んぼなどの農業に従事したり、いい土が採れるのでそれを使って陶芸をしたりと生き方は様々あるようだ。
この町を出ていったわたしが言うのも説得力がないかもしれないけれど、願わくばこのままこういう人たちが増えていってほしいと思うし、10年20年先までずっと居続けてほしい。
故郷が衰退していくのはやっぱり見たくない。
自分が通った学校はそのままで在り続けてほしい。
運動場からは子供たちの声が聞こえ続けてほしい。
道沿いに植えられた桜が満開になるころに開催される歩け歩け大会、多くの人からの善意で集められた鯉のぼりを一番大きな公園に泳がせてその下でお弁当を多くの人が食べる光景、町の有志で結成された太鼓チームの演奏や多くの屋台・みんなの楽しそうな笑い声・大輪の花火で締めくくられるお盆のお祭り、木造でできたドームの中で行われる綱引き大会、たくさんの雪が降った日には小さな子供たちが集まってかまくらをつくる。
四季折々のこんな光景も昔は当然やってくるものだと信じて疑わなかったけれど、大人になった今はそうではないことがよくわかる。
どれもこれも人の力が必要で、人が動くことで出来上がっている。
これからは、内の人の力だけでなく外の人の力も借りてこの町の活性化が進んでいくことを望んでいる。

わたしも今まで以上にこの町に足を運ぼうと強く思った。

 

 

 

虹の橋

 

長野充宏@黒猫.

 

 

今見えぬ未来を

今に問う未来を

待てども

待てども

鏡に映る僕は

何時も同じ

君の現実は夢?

夢は静かに深い

海の底

今気付かぬ明日を

今に来る明日を

孤独と

孤独と

僕の見る情景は変わらず

君の現実はどこ?

夢は届かぬ

青い空の彼方

しかし

君が望むならば

海は君に扉を開き

空は君に光を注ぎ

そして

君はあの

美しい虹の橋を

渡る。