広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
朝
遅く起きて
ぼんやりしていた
ソファから桑原正彦の岸辺の絵をみてた
それから
旅のクルマの蓄電池を確認して
女のクルマを洗った
玄関のドアまわりを掃除した
正月飾りを掛けた
午後の窓辺には
雀たちが来ていた
それから
海を見に行った
マリーナ横には釣り人たちがいた
笑っていた
帰ったら
山際の空が茜色に染まってた
茜色はすぐに消えて
空は灰色になっていった
西の空に金星が光っている
高橋アキの弾くケージのサティのための曲を繰り返し聴いている
#poetry #no poetry,no life
会わなかった
どこにいるの
どこにいたの
いちど
川の淵で
くちづけたことがあった
鼻の
あたまの
濡れていた
冷たかった
どこにもいない
猫
いない
・・・
** この詩は、
2024年12月20日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第12回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。
#poetry #no poetry,no life
さっき
テーブルの横を通った
亡くなった
詩人や
絵本作家や
絵本屋のご主人のことを
ひとびとは
テーブルを囲んで話していた
猫は
消えた
しばらく玄関にいて消えた
・・・
** この詩は、
2024年11月22日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第11回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。
#poetry #no poetry,no life
見ている
ただ見ている
すぐ横で
コミヤミヤがくるっ軽々回転
うつ伏せの姿勢から
もっこもっこ
背中が盛り上がっていくよ
上体起きて
頭がくるっ回転
窓の外の庭のゆずの木が風に騒いで
やってみろ
ほそっこいコミヤミヤの腕が
ふんにゃふんにゃ上下したよ
マットが撓み
進んだ?
ちょっぴり?
いいや、ただ体が微かに上下に揺れただけ
疲れちゃったか?
いいや、またふんにゃふんにゃ
おっと目が合っちゃったよ
でもかずとんパパに関心なし
また頭くるっと回転
ゆずの木騒ぐ
またふんにゃふんにゃ
すぐ横で
仰向け姿のこかずとんが
見ている
ただ見ている
目に特別な色はない
見ている
ただ
ふんにゃふんにゃするコミヤミヤを
見ている見ている見ているんだ