広瀬 勉
1325 : 200818 08:56 東京・杉並 高円寺北
#photograph #photographer #concrete block wall
揺れるもの
わたしの
揺れるもの
ブランコは
揺れているの
しろい
ねむの木の
花
咲いていたの
わたしの庭に
咲いたの
あなたは
どこで
揺れているの
***memo.
2024年7月4日(水)、夜、
高円寺バー鳥渡で開催中のさとう三千魚の写真展「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作った80個めの即詩です。
タイトル ”ブランコ”
好きな花 ”ねむの木の花(白い)”
※写真展「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」は6月29日〜7月13日まで開催します。
バー鳥渡は、毎日19時〜25時で営業しています。火曜日はお休みです。
さとう三千魚は6月29日から7月7日まで在廊し毎日希望者3名に即詩を捧げます。
#poetry #no poetry,no life
なんだなんだ
なんなんだ
なめとんのか
と言われても
なんだかんだ
なじって慰め
なぁ
何ぬかす
なんぼのもんじゃ
萎えて
なお
なして
泣けて泣けて
中身なし
名古屋でなゐ
なずな納豆
納得の夏に
なでなで那智の波
NASAとNISAって何さ
鍋を菜穂子と
浪子の生ハム
茄子の菜のななふし
ウ.ナロード、ナメクジくん
勿来の関、何時?
二度とない
ニコニコニュース
ニアミスか
二位の兄さん
煮えきらない
匂い立つ
ニルバーナ
にんにく肉薄
にくにくしい如意棒
煮汁にんじんニ丁
西新の尼僧ニタリ
偽物にニスを塗る
日曜日に日課
ニッカ二杯
濁るニューカマー
にっとする仁王
ニーハオニャンコ二兎
肉まんにしんさい
ニヒリズムまで
二歩にじり
日本
ぬるぬる
抜きます
脱ぎます
主の抜け殻
ぬめりヌーボー
沼の主
盗人猛々しく
抜かりない
ぬばたまの
ぬえ
糠ぬかづく
ヌー
ねやの猫
葱ねっとり
ネジねじねじ
ねずみネットでねっとり
眠い捻転の年長
練り込んで寝静まり
粘土のネスコ
ネッシー熱波ネチネチ
ネスカフェ子の刻の根
練馬熱心に根付け
値の念書に年限
根津の姉さん寝巻きで寝坊
涅槃の寝息
野原の野中
伸びる伸びる
のび太飲んじゃう
軒先のノコギリ
のけものの獣
のずらのっこみ
野末陳平のしのし熨斗つけて
野りすのりすぎ
のりまき千兵衛の祝詞
野いちご飲んだ
飲んだら乗るな
呑気なノンちゃん
伸びやかな野茂
のほほんと乗る猪
のっそりノジマでノズル
農機の納期
ノンノノンノン剣呑
ノウゼンカツラ伸ばして
ノイマンにノー、ノー、ノー!
紅い
花がいる
黄色の
花がいる
白い道がある
ほそい道に
砂埃が舞う
バスは
過ぎていく
フリージア紅い
フリージア
黄色い
私は
白い道を
歩いてきた
***memo.
2024年7月3日(水)、深夜、
高円寺バー鳥渡で開催中のさとう三千魚の写真展「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作った79個めの即詩です。
タイトル ”私の人生”
好きな花 ”フリージア”
※写真展「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」は6月29日〜7月13日まで開催します。
バー鳥渡は、毎日19時〜25時で営業しています。火曜日はお休みです。
さとう三千魚は6月29日から7月7日まで在廊し毎日希望者3名に即詩を捧げます。
#poetry #no poetry,no life
私は、屠殺されるのを待つ無力な豚だった。
逆さまに吊られ
頸動脈にナイフを突き刺され
大量の血飛沫が噴き出す音を聞きながら
失血死させられた。
そしていくつもの肉塊に捌かれて、
真空パックされるような息苦しさで目が覚めた。
花が深夜、陸橋から飛び降り自殺する夢を見たのだった。
制服姿の花。おかっぱ頭の可愛い花。
橋の欄干に座って、足をブラブラさせて
笑っていた。久しぶりに見る花の笑顔だった。
「お願いだから」「死なないで」
そう言って私は手を伸ばして
二言三言、慎重に言葉を選んだけれども、
正論だけの言葉もいつか尽きて無くなり、
私たちは不器用な沈黙に陥った。
泣いても誰も助けてくれない。
言葉を発しても、誰も耳を傾けてくれない。
どうせ誰も分かってくれない。
そう言って花は、
永遠に手の届かない場所に行ってしまった。
夢から醒めても尚、私はただの肉塊だった。
君は不機嫌な少女だった。
どうか私を食べて。
かつて君が私の一部だったみたいに、
私も君の一部になりたい。
君の片隅に、いさせてよ。
「あなたは強い人だね」なんて言わないで。
私はビョーキで、強くもなく、優秀でもない。
人に依拠しなければ生きてゆけない。
いつでも誰かに頼りたいし、助けてほしい。
こんなことを言う母親を軽蔑しますか?
毎日、学校から帰ってきた君が脱ぎ捨てたローファーを
いつも同じに揃えてた。
踵は家に向くように。つま先は外に向くように。
雨の日も晴れた日も
家が君の出発点であって欲しかったから。
この前、自宅近くの駅で飛び込み自殺があった。
嫌な予感がして
ものすごい数の野次馬を押し分けて行った。
花ではなかった。
男性か女性かもわからない肉塊が、
青いビニールシートに包まれていた。
その夜、何事もなかったように
街は動き出していて
一人の少女が事故現場に佇んでいた。
少女は一本の赤いガーベラを手向けて踵を返し、
自分のいるべき場所 会いたい人がいる場所へ、
走り出していった。