雨戸を
閉めて
ブラームスの
6つのピアノ曲の
第6曲を
繰り返し
聴く
そこに
おとこがいて
おんなと
おとこがいて
きみは
甘い
液体なのかい
世界の終わりをみてる
雨戸を
少し開けてみる
底のない世界できみの美はどれほどの強度をもつの
雨戸を
閉めて
ブラームスの
6つのピアノ曲の
第6曲を
繰り返し
聴く
そこに
おとこがいて
おんなと
おとこがいて
きみは
甘い
液体なのかい
世界の終わりをみてる
雨戸を
少し開けてみる
底のない世界できみの美はどれほどの強度をもつの
6,000度の
熱に
触れたこと
が
ない
70,000人のヒトが
160,000人のヒトが
死ぬのを
見たことがない
石の天使の首が
風で
飛ぶのを
見たことがない
国のために
敵を殺せと言う
母と父と妻と子供のために
敵を殺せと言う
こだまは
新富士を過ぎた
昨日は
高円寺の
バー鳥渡で飲んだのだったか
朝まで
飲んだのだったか
広瀬さんが
歌うのを
聴いたの
かな
午後に目覚めて
水風呂に
はいり
新幹線に乗った
のだったか
こだまは
新富士を過ぎたのだったか
そこに
いた
ひかりは
射していた
祠のまえに
ござをひいて
すわって
いた
笑って
いた
牡丹の紅い花が咲いていた
母も
沖縄で死んだ
叔父さんも
笑って
いた
祠の横には
泉があり
山椒魚たちが
泳いでた
そこで産まれ
帰る
そこに帰る
今朝
神田で朝日が昇るのを
見てた
多摩川でも
樹木のなかに
輝いて
いた
そこにいた
電車のなかでは
悲愴と
バードの
パヴァーヌとガイヤルドを聴いて
帰った
むかし
戦争があった
いまも戦争がある
ヒトの
バランスの向こうに
おととい
大阪から帰って
ビールを飲んで
ねむった
それから
海をみた
のか
空をみたのかな
突堤をみた
波が光るのをみた
世界の果ては
平らで
この世の時間がない
深夜に
ブラームスのピアノを聴く
晩年の118-5
この世の果ての唇に触れた
きのう
大阪から帰って
深夜にビールを飲んで寝て
しまった
今朝
モコに起こされて
モコに
おしっこさせて
ソファーで空をみてた
子供のころの夏の朝を思った
キュウリと
トマトと
オクラをもいで食べたな
どこの国の村でも
朝の野菜を食べただろうな
きのう
串本をでて
大阪に帰ってきました
串本は
晴れていて
青い空と
海がひろがっていました
入道雲が浮かび
漁師たちは
日に焼けて
白い歯で笑いました
遠くには
戦争があるそうです
父母や子どもや老人たちが殺されているそうです
串本で
目覚めた
ここにも
磯ヒヨドリは
鳴いてた
夜明けの
空に
鳴いてた
きみの声はきれいだ
遠いものたちを呼んでいる
声だ
昨日は
漁港の横の小山で
小さな祠をみた
祠からは海と空が
見えた
遠いものたちを呼ぶ場所だったろう
のぞみでは
缶ビールを飲んで
流れる
景色をみた
流れるんだね
流れるのさ
そこに多感な子供が
佇つ
みんな忘れている
子供は
星々の運行を見ていた
流れるんだ
世界は
大阪のホテルの
清潔なシーツにくるまって
流れてゆく