今度、富山に来たときみたいに酔った次ぎの日にまた飲むような自堕落をやりたいものだ。
そう、
荒井くんはfacebookでコメントした。
昨日、浅草橋で荒井くんと飲んだ。
別れたんだ。
最終電車で新丸子に帰った。
帰る場所はある。
あてどない。
今度、富山に来たときみたいに酔った次ぎの日にまた飲むような自堕落をやりたいものだ。
そう、
荒井くんはfacebookでコメントした。
昨日、浅草橋で荒井くんと飲んだ。
別れたんだ。
最終電車で新丸子に帰った。
帰る場所はある。
あてどない。
いたね
そこにいた
生まれるまえから
生まれた
あとにも
ずっとね
そこにいた
なにも
喋らないが
軒下や
荒れた空地や
裏山や
浜辺や
砂原や
そこにいた
いのちが
あったのか
夏の街の片隅にも
いた
ヒトは消えても
繁茂すればいいさ
こだまは
三島を
過ぎ
熱海を過ぎた
空は
灰色だった
熱海の海も灰色だった
灰色の世界を生きたことがある
どこまでも灰色だった
なぜだろう
なぜなのか
わからなかった
灰色の空の下に
小さな小屋がほしいな
灰色の砂原の
小さな
小屋に棲みたいな
めざめて
facebookをみてたら
日記のようだ
と思った
ひかりの記憶を写真で
止めておく
ことばも
すこし添える
画面を
指先でたどれば
みんなの記憶のなかに
わたしの記憶のひかりも
ある
先週の日曜日
500m泳いで
港の水面を見てたんだ
あまり
ならないけど
むかし
なったこともある
十二指腸潰瘍と
花粉症と
欝と
そのころ
一度に
やってきたね
谷底の地平を歩いていた
投げ捨ててみたり
奪われて
みたり
すると
病気も癒えるさ
なにも
かも
うふふと
笑って
佇つさ
今朝も
めざめ
た
カラスが鳴いた
小鳥も
鳴いている
この朝に
目蓋をひらいた
音はない
小鳥だけが鳴いていた
ことばを捨てて
ことばを
拾う
小鳥は
ついばんだ
公園で
パン屑をついばんでいた
背中に羽のない
ものもめざめた
この朝に
雨だった
今朝は
モコをおいて
海に
いったのさ
西の山が雲に隠れていた
離岸堤が
雨に霞んでいた
きみは
王子を見たことがあるかい
テトラポットや
西の山や
離岸堤や
ぽかんと浮かんだ雲
みんな王子だね
王子みたいになりたいね
姉の
庭にも
雨は降って
るんだろうか
ベランダから
姉の庭の花は見えて
風に
揺れていた
母に送ったバラの
花も
揺れていた
もう
あじさいも
咲いたろうか
そのヒトの庭にも
あじさいの花は咲いたろうか
静かに
笑っていたね
母はね
今朝
東急目黒線に
乗った
満員の
電車の中で
シフの
モーツァルトを聴いた
眼を閉じ
目蓋の
裏の景色を見ていた
すべては
過ぎた
とどまるものはなかつた
昨日は
浅草橋大吉で
荒井くんと
ランチを食べた
分厚いトンカツだった
容器と
いう
ものには
いずれも底というものが
あるだろう
ヒトも
容器だろうか
容器には何を入れれば
よいか
ヒトには
血をいれて
肉をいれて
掻き混ぜて
その底に澱むものは
あるのか
他者なのか
底には山あじさいがひとりいて
叫んでいる