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ゆき
です

道に足跡がありました

そのヒトの庭にも

降って
いるでしょうか

雪国のゆきを知っています

灰色の空の
下に

生まれたのです
いつまでも

見ていました

なにも
言いませんでした

母は
見ていました

ことばの向こうに
降るものを

 

 

 

heaven 天国

 

サハリン島の
子守唄を

聴いた

今朝

橋を渡るとき
聴いていた

ブールー
ブールー

ブールーブールー

そう
母は

唄っていた

橋を渡るとき
川崎の街がみえた

たくさんのビルのうえに

灰色の雲と
空が

ひろがっていた
灰色の空が光っていた

 

 

 

world 世界

 

突堤を
見ていた

突堤は

海のなかに佇って
いた

風が渡っていった

岸から

風が渡るのを
見ていた

かもめが
旋回していった

磯ヒヨドリは餌をついばんでいた

この
ひかりのなかで

生きて死ぬんだと
おもった

突堤は波にあらわれていた
突堤は

 

 

 

princess 王女

 

このまえ
気づかなかった

お茶の水の

病院の
まえにたっていた

王女よ

悲しい横顔だ

くじらなのかい
くじらだったのかい

きみは
泳いでいた

くらい海の底を泳いでいた

ひかりは
過ぎた

ゴーゴーと鳴っていた

熱海を
過ぎていった

 

 

 

sight 光景 景色

 

昨日は
三栄町の公園の

ベンチで
休んだ

お昼頃だったかな

小さな子をブランコにのせる

若い母親がいて
弁当を食べる

勤め人たちが
いた

木の枝には
ハクセキレイと雀がいて

地面に
鳩たちはいた

夕方
お茶の水の病院のまえに立つ木を見上げた