今朝
バンセをひらいた
トイレで柚木康さん翻訳の
バンセをひらいた
人間の最大の下劣さは
栄誉を追求することである
そう
パスカルは言っている
それから
トイレで脱糞した
満員電車で
仕事に出かける
冬に雪を売りに行く
雪を売りに行く
今朝
バンセをひらいた
トイレで柚木康さん翻訳の
バンセをひらいた
人間の最大の下劣さは
栄誉を追求することである
そう
パスカルは言っている
それから
トイレで脱糞した
満員電車で
仕事に出かける
冬に雪を売りに行く
雪を売りに行く
今朝は
言葉を待っていた
それから通勤電車で
戦争で死んだ
母の兄のことを思った
走るのが速くて
美男だった叔父は
人を殺したろうか
命令されて
号令を受けて
引き鉄をひくことは
暮らしを守ることとは違う
田圃で
母がひとり草を抜いていた
恵比寿で
佐藤時啓さんの
写真展をみた
会場の入り口と
出口に
原発と円形石柱遺跡の写真があり
ひかりは生まれていた
プリントは
印刷することだが
焼き付けることでもあったろう
記憶を焼き付ける
遠い
ヒトビトの
ない
記憶を焼き付けていた
波は
打ち返していた
空をはいいろの雲が覆っていた
はいいろの
海がひろがっていた
西の山の頂はしろい雲に隠れていた
朝
めざめて
なぜベットの足もとの壁をみつめて
泣いたか
わからない
無数のひとびとの悲しみのなかに
ない言葉がある
風が吹いていたね
でんわ
ちょうだい
姉のメールだった
電話のむこうに秋田の
姉はいた
母は肺に炎症をおこして
今夜から
抗生物質をいれると
姉はいった
紅い牡丹の花が咲いていたね
裏山の祠のまえで
母と姉と写した写真がある
風が
吹いていた
春先には
空から聴こえた
いまは地表から聴こえている
雲雀は
地味な色の鳥だね
あんな地味な鳥が
天使の
声もってるんだな
磯ヒヨドリの雄は綺麗だよ
あれは青い鳥だね
昨日の夜
きみは広瀬さんの店にいた
名前をルリカケスといった
書かなかった
のかい
なにも
書かなかったのかい
指が
震えていた
あなたの目蓋を
指でひらくと
瞳はわたしを追わなかった
震えていた
人差し指を小さく震わせた
なにも
書かなかったのかい
低いところから
聴こえるさ
あの雲雀の声はさ
母の部屋には
ひかりが溢れていた
ひかりのむこう
には
田圃がひろがり
ひかりのなかにヒトはいない
田圃のなかの
ほこらの中には
男根と女陰が祀られていた
闇の中に
たくさん祀られていた
ひばりの声が聴こえた
ひばりの声がたくさん聴こえていた
見ていた
花を
見ていた
そのヒトは花を見て
佇ちつくす
あることと
ないことの向こうに
ヒトも
ヒトビトも
佇ちつくす
そこに
小さな葉をつけてピンクの花は
咲いたろう
無いこころを抱いて
いた
そのヒトの無いこころを抱いていた
雲のなか
浮かんでいた
頂きは
白くひかっていた
恥ずかしい
ことはなかったかい
丘の此方
からあちらはみえないけれど
なかったかい
なにもなかったかい
知ってたの
かい
貰ってきた仔犬は
オオカミの子どもだった
灰色の眼をしていた
ラッキーと呼ばれた