bark 吠える

吠えない
だろう

花は
吠えないだろう

そのヒトは
この世はデコボコに見えるといった

白い花はここにはないといった

白い花は
どこにもない裂け目だった

白い花が咲いていた
白い花が咲いていた

白い花がデコボコのなかに咲いていた

吠えていた

 

 

learn 学ぶ 習う

西の山が
薄緑に浮かんで空は明るい水色となった

日射しを集めて
明るくなるものと消えさるものがいた

まだ生き延びて
夜の足の表で血を吸う蚊がいた

深夜に白鷺が叫び声をあげていた

空は明るい水色となった
西の山が薄緑に浮かんで空は明るい水色となった

 

 

this この

明け方
少女が手淫していた

少女がひとり手淫しているのだった

ここ
ここなの

少女はいった
夢のなかでここなのといった

たしかにそこなのかもしれない
たしかにそこなのかもしれない

でもそこは
夢のなかの少女のここなのだ

少女のここはそこにあるのか
ここはそこか

 

 

wood 木 木材 森

いま富山にいる荒井くんから
深夜に電話があり

ドコモのiPhoneについて話して
富山のホタルイカの煮干を買ってきてほしいとつたえた

物理学者の神の数式から
コトバの叙情性について話がおよんだ

でも階下でモコがなくので電話を切ったのだ

木も木材も森も無い

 

cloth 布 生地

昼に
突堤をみていました

突堤のむこうに
海と空が水平にひろがっていました

磯ヒヨドリが鳴いて
カモメたちが飛んでいました

深夜
虫たちの声がすべてを埋めています

突堤も
海も空も磯ヒヨドリも

カモメたちも
消えて

いまは闇にひろがる声の生地です