「さとう三千魚」カテゴリーアーカイブ
track 通った跡 足跡 小道
山の
斜面の
小道を歩いていました
目覚めると
山の斜面の
暗い小道を歩いていました
ヤマユリが咲いていました
ヤマユリが匂っていました
わたしにはわかりませんでした
わたしにはわかるということがわかりませんでした
call 呼ぶ 電話をかける
明け方に
雨はあがりました
ツバメたちは飛んでいます
昨日
薄い文字で書かれた手紙を添えて
白いタオルが届きました
わたしは電話しました
わたしはあなたの奥さんに電話をしました
奇麗な線をひいて
綺麗な線をひいてツバメたちは飛びます
「はなとゆめ」 14 生きる
悲しみに堪えられないならば
夕暮れに
浜辺にたってみてはどうでしょうか
悲しみは人称を失いました
人称は
失いました
だから
マリア・ユーディナを聴いています
だからマリア・ユーディナの平均律クラヴィーア曲集 第1巻22番を聴いています
西の
山に
日は沈みましたか
青緑の西の山に日は沈みましたか
夕暮れに
燕は
空を
飛んでいますか
悲しみは何処にいきますか
失った悲しみは何処にいきますか
浜辺に佇ち尽くすばかりです
わたしは浜辺に佇ち尽くすばかりです
燕は首をひねりながら鳴きます
燕は電線にとまって首をひねりながら鳴きます
燕たちは夕暮れに子どもたちのために忙しく空を飛んでいます
study 勉強 研究
あまり
勉強しなかったな
いま残っているのは
帰りの道草の
梢の先の空を見たこと
なすびと
しょうちゃんと
ぷあぷあさんにあったこと
たこちゃんと田中さんにあったこと
あまり勉強しなかったな
大切なことは
大切なことは
風が吹いていること
hold 持つ 抱く 支える
窓のむこうに
support 支える 支援する
いぜん
タコ八郎さんと
お会いしたことがありました
こどものころ
牛を飼っていたことや
道ばたの雑草を食べたことなどを
話されました
かざりのないヒトでした
しばらくして
海で亡くなりました
ヒトを支えられるヒトだと思いました
message 伝言
もう
話すこともできない
もう
食べることも
着ることも
歩くことも
自分で息をすることも
できない
そんな母の目蓋を指でひらくと瞳が見ている
瞳がわたしの顔をみまわして
うるんでくる
母の伝言はない
ただ瞳がうるんでくる
ただ瞳がうるんでくる
health 健康
たくさんのヒトの声をきいた
その中にわたしもいた
発展
まぼろしとなった
ふるえる花はあるだろう
date 日付 年月日 日時
日付のある一日を
ヒトは
生きて
流れていくものの
消えていくものの
先に
林はあった
ナツメ椰子の林の下の木陰には
逢瀬があった
マリア・ユーディナは遠くをみつめていました
磯ヒヨドリがないていました
磯ヒヨドリがないていました