朝になった
雨はあがった
ゴンチチのロミオとジュリエットを聴いてた
ロミオは毒を飲んだ
ジュリエットは短剣を刺した
35年の生を売る
労働を売る
友人たちに
お元気でといった
よい一日をと
いった
貨幣に外部はあるのか
自己利益に外部はあるか
朝になった
雨はあがった
ゴンチチのロミオとジュリエットを聴いてた
ロミオは毒を飲んだ
ジュリエットは短剣を刺した
35年の生を売る
労働を売る
友人たちに
お元気でといった
よい一日をと
いった
貨幣に外部はあるのか
自己利益に外部はあるか
朝には
モコのおなかが鳴るので
腹巻させて
ソファーで添寝した
モコのおなかには毛が無いからか
晴れた空の
燕たちを見上げた
モコを置いて浜辺にでかけた
波は繰り返し打ち寄せ
雨になる
夕方
変哲先生の句を読む
あかぎれの娘ブロマイド一枚買いにけり *
* 小沢昭一「変哲 半生記」岩波書店より引用しました
朝になった
朝には
西の山の頂が
朝霧に
隠れてる
雀の声も
ハクセキレイの声も
まだ
聴こえない
朝には
モコと散歩する
朝には
燕たちの飛ぶのをみている
川面の上を飛んでた
曲線を曳いてた
佇ちどまって
見上げた
朝になる
ひとびとも朝になる
揺れてた
夜中に
目覚めたら
揺れていた
それでもう
眠れない
一瞬
見たのさ
湖なのか
海なのかな
わからなかった
海も
凪いだら
ひろい湖みたいさ
どうなんだろう
もう眠れない
一瞬
水の揺れるのを見た
それは
世界の一部なのか
それは全部さ
朝になった
ゴンチチのロミオとジュリエットを聴いてた
ハクセキレイが鳴いた
ヒトの欲望の裏側に
債務はある
35年の生を売る
労働を売る
部屋に残ったのは
カーテンと
ベットと
青い本棚だけだった
ロミオは毒を飲んだ
ジュリエットは短剣を刺した
今朝
車できた
新丸子の部屋の
最後の掃除にやってきた
掃除機をかけ雑巾がけをした
部屋に残ったのは
カーテンと
ベッドと
青い本棚だけだった
絵が架かっていた壁に四角い影が残っていた
影はわたしの債務のようだ
債務はわたしの欲望の裏側にある影絵だ
昨日の夜
ひかりで東京から帰った
燕たちが飛んでる
お茶の水で千先さんと会った
千先さんは
アマゾンの怪魚を撮ったといった
白目が
綺麗な白だった
それから
浅草橋で荒井くんと会った
荒井くんは
富山から帰っていた
浅草橋の駅で総武線が通過した
閃光は言葉の先にあった
閃光は
言葉の外部にあった
貨幣の外部にあった
閃光は
理性ではないもの
ばかげているもの
閃光は
強い風のなかを飛ぶもの
テトラポットにしろく砕けるもの
閃光は
閃光は
わたしではないもの
あなたではないもの