afraid おそれて

 

四谷で

鐘の音を
聴かなかった

秋田から
帰って

教会の鐘の音を
聴いていない

姉から電話があり
秋田に

帰ったのだった
母は

人工呼吸器で
胸を上下させていた

わたしには
与えるものが何もない

何もないことを母に
与える

鐘の音を待つ

 

 

 

birth 誕生

 

夕方には
モコと散歩した

いつも同じ道なので

モコは
道を憶えていて

草花と出会い
道草する

この休みには

何度
佐々木さんから教えてもらった

リヒテルを聴いたか

こころの
底に

言葉でないものたちの影が過ぎてく

わたしは
誕生を忘れていた

 

 

 

neck 首

 

細く
白い

首が

綺麗だな

そう
思うことが

ある
あった

どうなんだろう
女のヒトの

細く
白い首をみて

うなじ
みて

綺麗だ

なんて
そんな通俗的なことを

思う

いま日本橋の公園で鳩たちに
囲まれてしまった

鳩たちよりも
鶴の首は細くて白い

 

 

 

stamp 切手

 

浅草橋で
飲んで

駒形の

荒井くんの
アパートに泊まったのか

駒形でも

雀は
鳴いた

朝には

桑原正彦の少女が
佇ってた

佇つものよ
佇ち尽くすものよ

ラ・モンテ・ヤングの音の底にも
少女はいた

いない少女よ

葉書に
花の切手を貼っていた

 

 

 

daily 毎日の

 

嵐でした

一昨日
浜辺に

蒼鷺が佇ってた

何かを
待ってる

わけでもなく
時間はとまってしまったの

雨の中に

片足で
佇ってた

此の世の
岸に

波頭が砕けてた

砕けるものたち
砕けちるものたちよ

ホックニーの白い波頭を見たことがあるかい