fool 愚か者

 

この

正月には
海を

見てた
カモメたちが

並んで
佇っていた

それから
ヴァントの

ブルックナーの7番の

第2楽章を
なんども聴いた

ぽかぽかの海を見て
なぜ

引き裂かれるのか
わからない

ヴァントは
カモメや愚か者たちを包む泉だった

 

 

 

here ここ

 

きのう
海を

見た

空も
見たのさ

夕方には散歩もした

帰って
ヴァントの

ブルックナーの7番を聴いた
第2楽章を

繰り返し
聴いた

刹那に

波は揺れていた
そこに

わたしは居なかった

どうなんだろう
言うべきことがあまりない

ここに帰ってきた

 

 

 

pain 痛み

 

今朝
元旦で

浜辺で

朝日を見たのさ
6時56分

少しだけみんなの
幸せを祈った

帰って
雑煮を食べて

お酒を
飲んだ

夕方、散歩から帰って
ブルックナーの7番を聴いた

それから
ケージのharmony XIII を聴いた

神は
死んだのだろう

 

 

 

song 歌

 

年を越す日の

夕食の
あとに

紅白を離れた

誰の
歌なのか

暗い

部屋で
ケージの

harmony XIII を聴いてる

午後の

浜辺で
カモメたちの

飛ぶのを

見ていた
低く

並んで
浮かんでいた

歌はわたしだ
歌はわたしの心の底を飛ぶ鳥だ

 

 

 

fly 飛ぶ

 

風が強かった

モコを
抱いて

浜辺を歩いた

波は砕けて
海面が

光っていた

鳩たちが
いた

白鷺と
海鵜が佇ってた

カモメは
テトラポットに並んでた

空高く
一羽のカモメが旋回していた

刹那には青い水面が揺れていた

青空に
白い雲が浮かんでいた

 

 

 

moment 瞬間

 

おととい
かな

もう
おとといなのかな

高円寺のバー
鳥渡で

飲んだ

鳥渡は
写真家の集まる店さ

写真家は鳥だね
詩人も鳥みたいなものさ

写真家は
世界を止める

詩人は
語れないことばを語る

一瞬
飛ぶのさ

爪先で立ち

激しく鳥になるのさ

 

 

 

child 子供

 

昨日

水道橋の神田川に
カモメが

浮かんでいた
すぐに

飛んでった

こどものころ
焼石岳に

雪が積もるのを見た

天辺が
白く光るのを

見ていた

白が
世界を覆った

すべてを白にする
残る

わたしも
白にする

ブレンデルに午後

逢う

 

 

 

close 閉じる

 

雨は

止んで
いた

アファナシエフの

ピアノを
聴いて

帰った

ブラームスの118-2だった

雨に濡れた
夜道を

帰った
小さな紅い花が咲いてた

泥酔して

無いところから
われに

帰って
きた

紅い花が咲いていた
鳥の声は聴こえなかった