hill 丘

雲のなか
浮かんでいた

頂きは
白くひかっていた

恥ずかしい
ことはなかったかい

丘の此方
からあちらはみえないけれど

なかったかい
なにもなかったかい

知ってたの
かい

貰ってきた仔犬は
オオカミの子どもだった

灰色の眼をしていた
ラッキーと呼ばれた

 

 

 

evening 夕方 晩

 

金木犀の
枝を刈ってからすこし歩いた

岸辺の向こうに
テトラポットと水平線があった

公園の生垣の向こうに突堤があり
水平線があった

西の山が霞んで空に浮かんでいた

そこには境界はあるのに
触れることがない

ことばでないものをことばで語っていた

 

 

 

policeman 警官

荒井くんが
64抗議のパフォーマンスをした


陳光 李文 朋友

友の名前を胸に刻んだTシャツを着て
荒井くんは警官のいる場所で中指を起てた

中国大使館
自由民主党本部 国会議事堂 皇居 靖国神社

警官が守るべきものは国家だ
国家は見えない

 

 

 

@140610  音の羽

 

萩原健次郎

 

 

image

 

は、ね、
ねっ
それは、虫の
それとも鳥の
人の根に響く、蒼空の
雲の根、骨、ね、

迂回して、濃緑の木の根の道を歩いていくと陽は
斜めからさして、匕首になり、陽の匕首は、時刻
によっては、鋭利に光り、錆びて病んだ鈍い面を
見せたり、陰が、その尖りを消したり、それはも
うまたたく刹那で、明滅している。
はようみいひんかったら
光の三角も、滅んでしまう。

数をかぞえる、猫の声
魚の声
草の声
ぴちゃぴちゃにゃあにゃあ、ふうふうと
ね、
恋去り
小唄かよと
ひるがえっている
きれいな舞いすがたに
ね、
からむ脚が、
きゅっきゅっ言う。

白昼を服す飲料に混ぜた羽の音の粉々にあたりの
松もその下の薊も被せられて息できなくなってう
ろつく犬ころも猫撫声もふわふわしている種子も
骨肉のすべてが粉末になって枠どりされるそれも
真実の世と記されているから一旦はああ本当だと
驚いてみるがただ匕首で切り刻まれたただの世の
切れ端にすぎず生きた証と言ったら犠牲になった
犬にも薊にも笑われる

わたしにも
根が焼けると
思うことがあって
すこし冷やしてから
きょうは帰ろうと
思う頭が
は、ね、
根は焼けずに
夕照と音羽の真水に溶かされて
麦の筒で吸われる。

世、根、
吸われて、
どこかの胃にいるのは。

 

 

 

imagine 想像する

レノンは
邪魔する

レノンは想像を邪魔する

あまり意味のないことを
想像していた

ほとんど意味のないことを考えていた

レノンは
邪魔だ

ジョン・ライドンと
ロバート・スミスとモリッシーを聴いていた

あまり意味が無いな
ほとんど意味が無い