6時間で復活せよ

 

工藤冬里

 
 

死こそが最高のメンテであるような眠りを眠れ
眠りが最高のメンテであるような死を死ね
石膏はその力を失い混ぜても混ぜても反応を起こさない。学校で教わったような熱はでない。あれはただの体温だったのだ。いつまでもしんじつでげんじつでどろどろのままだ。A級は.73、特級は.64、正確に測ってもとろとろうたいだしてしまう。
ひしゃげた未來の天氣がいつも雹の混ざったst.ivesの強風
鉛筆を削るように亜墨利加人を削り
使えるようになった三味の糸巻
孔を穿つべく掘り進み
遂には裏側に至る乎
あゝ服の外は零度
零度のヴィジョンの温さ
終バスは南口を出
居ない妻君は出版し
モノクロのカモメはマナティの夫を見る
ナースコールのように波は来る
いつかのいつかの防波堤で
差別を溶かした葛湯の中に
せろせろと入れてみせた希望
出勤まであと6時間
6時間で復活せよ

 

 

 

#poetry #rock musician

Nightshift

 

工藤冬里

 
 

1月9日
猪の肉饅なんかだれまりは食べれんよ

1月10日
前にウェールズで焼き物のフェスがあるというので出かけたら日本の〇〇焼祭りといったものではなくて、普段一人で仕事しているstudio potter達が集まって楽しむためのイヴェントなのだった。速成築窯や超大物を挽く実演の他にも有志のバンド演奏などあり楽しかった。音楽家達にも応用できる考え方だと思った。

1月12日
ボウリングのピンのようにウタモノは倒れた
ケダモノだったので焼き払われた
最下層の住民だけが生き残った
生き残って夏の果実を集めていった
カラーフィルムを貼ったモノクロのジャケットのように
確かめられるんです
まだ水筒持って映ってんのか
使い古したマスクで窒息しながら
歌おうとしたが
窄んだ肩では菌に立ち向かえなかった
全ての船員を鎖輪と考え
倹しい発泡のものごし生を
リフォームする鯨の枠組みの内部で飲む平和食べる安心
大リーグボール養成ギブスなんて着けるから伸びなかったんだよ
胸襟を開いて
全てを終わらせます
大本営発表の声色が
白亜の岸壁
砂糖漬け
レゴのようなものが散らばっている

1月13日
モールの中の郵便局から今送りました
レター・パックに書き込む時、充電器とかを入れたレジ袋を忘れていて、すぐに取りに戻ったら取っておいてくれていました
タリーズでダブル・エスプレッソを頼んだら普通に小さいカップで出てきました
愛媛がエスプレッソを理解するのに20年かかったということか

1月14日
ナイトシフト、という曲を歌おう、という心意気が泣けるんだな
夜勤の皆さんお疲れ様
https://youtu.be/GsTKEQzLkmw

雪の山というのはスマホでは撮れないので遠近法を壊しながら雪の山をあなたにあげたァ!と絶叫しながら肉眼で見るものだ。ニクガン。肉の眼。これで分かっただろう。イカレポンティ。

宇宙を通して行く道は塞がれた。生物を通って行く隘路も障害が多い。今は地中も狙われている。最後は言葉のみだ。言葉を扱う者たちの血飛沫が上がっている。高慢さに対して身構えなさい。

スピノザはスピっていたのではない。健康が命より大事というネタに忠実だっただけだ。遁走する数学者のばら撒いたパズルを見て、嵌まることは夏椿の陰に優る、と。

1月15日
滅ぼされてしまうからという動機だと力にはならず、滅ぼされても良いという考えに横滑りしやすい。集まって野菜作ろうなどと言ってはみるものの愛の言葉は立たない。

 

 

 

#poetry #rock musician

接続詞で繋いでみる

 

工藤冬里

 
 

Aber
FMで82年特集とか
泡立つほどにまさに敵だな
理由は倫理的なものではなく技術的なもので
要するに音程や音色の選択が音楽に追いついてないからだ
そういう点でわりと憂国というか恥ずかしいんだおれは
Aber
地区、音乐与实践region, music, and practice」というタイトルがいい
https://www.instagram.com/p/Cmy5_DjNz0V/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
Aber
4は地的な完全数と言われているが東西南北のことではない
それは1+1+1=4であるような次元の話なのだ
例えば3人家族という三角錐は4面を持つ
フラーが言うように、ものごとは4によってはじめて稼働するのだ
Aber
フレディグリーンて石渡が好きだったな
Aber
アーメン
とは
暴き出す
ということ
Aber
ヒロシです
一日一日が正月です
ヒロシです
毎年毎年が忌中です
口が裂けても明けましてを云わず、賀状の返事も出さないのでこれで勘弁

拾ったペンで髪を撫で上げた人に毎日が正月ですヒロシと返事して安らかに墓に入ると言わしめながらネコに殺される
名を覚えられないまま再建された天神に登る石段に人骨を焼く煙が全てのイントネーションを裏切って
針が振り切れる

Aber
一瞬でニカさんと渋谷さんと分かる凄いな
「離れていくなんて臆病です
の発声が良い
「幸せはつるべおとし
のデュエット部分 とか
「さっきはごめんなさい
の傲慢と謙遜の針の振れ
オザケンはあんまり
でもライザみたい
とかいってるうちにサキちゃんちに着いた
Aber
https://youtu.be/6mjbQW1Yt0E
昔鈴木君や山岸君がすのすの言い合っていた頃僕の雪ですの?を浩一郎がえらく評価して雪の倉に納める勢いでいやちょっと待てこれは凄い雪でしょスノーでしょとぶつぶつ、急に思い出した。
生きていたらえ、マイケルスノーは死んだんdeathの?と言うことになるが、今度は受けない気がするなんとなく
Aber
今日は公園に誰も居なくていつもみたいにわあわあしてる図書館車動画を挙げられなくて子供が来なくなった良寛みたいな気分だ
Aber
竈馬を食べた輩のブログに「うまい」とあり馬だけに、と思う
Aber
音楽にはもう動向なんてない
去年のベスト10とか得意気に人の音楽を選ぶより自分の身辺整理の方が先だろう
知り合いの生き死にの所作に目が行くぐらいだ
竈馬は光には反応しない
息を吹きかけると飛び上がる
Aber
夢が自由というのは障害物を出す自由であって
そういう意味で言うと自由民主党というのは自由に膿を撒き散らすことの出来る夢のような党である
夢のようなとは緩むということで
歯軋りしながら緩めるという曲芸であり
大道芸より難儀なことを毎夜
主たる民の身体は行っているのである

 

 

 

#poetry #rock musician

電車の中で眠る

 

工藤冬里

 
 

夜になると石灰化する頚骨が鳴り始める
羽に埋もれ寒さの下を潜ろうとする
指の付け根のように谷は山に食い込む
藤色とライトグリーンは永絶には似合わない筈だ
賢い人も愚かな人も、人の記憶にいつまでも残ることはない
月日がたつと誰もが忘れ去られる
住んでいた場所でも忘れ去られる
電車の中で眠る
森の中ではない
先回りの死者として電車の中で眠る
内回りも外回りもなく泥になっている
深爪のように

 

 

 

#poetry #rock musician

わたしの車で行こう

 

工藤冬里

 
 

路面凍結しても
七草が見つけられなくても
手のひらを刺し通されても
ラブシャケやFBIが工作しても
生姜や葱が足りなくても
看守のために祈り
發音が人形劇のようであっても
怒り狂って道連れにしようとしても


国に陽が当たり
ジャズに影が差している
地軸は傾きを矯正され
私たちはストレートネックとなっている
北からの見えない波の濃淡を測定せよ
いつまでですかと問い続けよ
新しい歌が歌われるまで

阳光照耀着国家
爵士乐上有阴影
倾斜轴线在拉直
我们成了直肠子
衡量北方的波浪
继续问它有多长
直到新歌被唱起

 

 

 

#poetry #rock musician

助ける人は一人もおらず惨めな人さえも残っていないほどだった

 

工藤冬里

 
 

El rey del sur chocará los cuernos con él 南の王は彼と角を突き合わせる
割ってみたら紫だったが甘くなくてかなしい
Mis enseñanzas caerán como la lluvia 私の諭は雨のように降る
Vuelvan a mí, y yo volveré a ustedes 帰って来い。そうすれば
“Sci-Fi Party”
Una nación ha invadido mi país ある国が私の国を侵略した
繰り返されるべき回数を超えて演奏されるミニマルが恐ろしいのは戸が開いてミミズが出てしまうからだ
今日も残り物の猪弁当です
濃いので卵で綴じていますから親子他人というよりケモノ丼といった趣です
それにしても北山認知軒のワンタンは髄を出し切る野蛮なスープが絶品だった。
一番寒い日にはわざと薄着にしたくなる
日本人ほど神を畏れる民族はいないが日本人ほど崇拝の方式に無頓着な民族もいない
サマリヤの如く全ての生い茂った樹の下に取り分けられた木や石の柱を置いている
恐れはあるのですからどんな方法で行うのが良いと思いますかと尋ねるだけで良いのです
ターメリックに漬けたマッカランが光っている
中野重治評論集が関東炊きの色濃さのなかに昭和は黒く染まって酌のあてとなっていた
メジャーに行くと却って無名になり遠ざかったような気がするのは悪霊の無名性を帯びるからだ
1970年潮7月号割腹半年前の三島寺山対談は二人共間違っているが必然とジグザグの偶然がぶつかり合っていて面白い
寺山が悟性、悟性と世の霊の悪影響を使い倒すのは古めかしくて良い
二人共コンピュータを悟性とすり替えるなという意見では一致していて流石慧眼ではあると思った
ウマブドウ毒かと思てましたが薬らしく
売ってますね
寺山はずるいブランショもずるい
僕にとって人を裁かないための唯一の方法は有罪者として裁かれる側に身を置いて無罪のための微かな窓の位置は確認しつつもsuspendeadの期間を絶望を食べながら生きることです

 

 

 

#poetry #rock musician

music is

 

工藤冬里

 
 

F F7 Bb Bbm F C F/Bb F/C

F F6 Bb Bbm6 F Dm C/G C
音楽はいつも向こう側を流れている

F Fb6 Bb Bbm6 F C F/Bb F/C
音楽は川ではなく川の向こう側を逆流している

F F7 Bb Bbm F C F/Bb F/C
川に釣り糸を垂れても音楽は作れない

F F6 Bb Bbm6 F Dm C/G C
作りに行く音楽は川で海の魚を釣り海で死んだ川魚を掬うようなものだ

F F7 Bb Bbm F C F/Bb F/C
音楽はいつもその外側を流れている

https://torikudo.bandcamp.com/track/music-is-20221210-syuyukan

https://youtu.be/eC9dxqkdBRU

 

 

 

#poetry #rock musician

LOT

 

工藤冬里

 
 

何人見殺しにしてきたか数えていて
これ以上はやばいかなと

distant sobbing
far cry というより

正しいきみも正しくないきみも新校舎で学ぶことは沢山ある
上から下に波及するその中間地点に居合わせているきみ以外の動植物は完全なので世界はきみの卒業を待っている
自分でなんとかする時代は終わったんだと切り替えて
橋があれば渡ってしまう癖を治して
立ち位置とか足台とかが設定されている台本を開き
政権交代のタイミングが書かれている台詞を読んでごらん
あらゆる政策はうまくいかない
新政府の治安部隊が期限切れの勢力を一掃する
月のなくなるまでという情緒を読み込んでイメージを重ね更新し続けて

but you will stand up for your lot at the end of the days

 

 

 

#poetry #rock musician

敵の前でフルコース

 

工藤冬里

 
 

脳を食べる。それで?それで?二世の悲しい鋭角の字体で 仰ぐ絶望
(瞼に気を取られている) よくない よくない

消し去るのではなく塗り潰す
迫るのではなく輪郭の外から浮き上がらせる
シニフィアンにニュー息吹
今まではそこには良いことをする人も悪いことをする人も居ると考えられていた
良いことや悪いことは過去形でしかない
悪人が存在しえない地もあるのだ

復興大臣秋葉けんや君に立憲源馬謙太郎君が詰め寄っている

悪人は塗り潰されるのではない
悪人の輪郭が浮き上がることで保護観察処分となるのだ
(そのためには)
愛されていないという偽り全てを退ける必要がある

人(ルーアハ・イーシュ)は病苦に耐えることができる
私の敵の前で、あなたは食卓を整えてくれる

 

 

 

#poetry #rock musician

ウラー!カラマーゾフ

 

工藤冬里

 

すべての涙の想像がつかないので疑う
根からマスクを取り除く
墨色の死の霧が晴れてゆく
地底と海底にドームを吊る
重い支柱を気球で運ぶ
死は食べるものではない
呑み込まれるものだ
エジプトに逃げず進んで行って当然の報いを受けた
荒廃のガソリンを満タンにして
救援ディアコニア
カードローンを払ってくれた男の死体を凝視めるドスト氏

draw◯
haul❌

雨かと思ったら擦れ合う木の葉だった
ボジョレー解禁日は無くなればいい
痛む肺を押さえながら
二百年かけて説得してきた
美術手帖も無くなればいい
四次元はあまりにも非道過ぎる
今はコレラ禍で
殺されたのは原敬である
ウラー!カラマーゾフ
星は監視カメラだ

首は傾けてはいけない
90年代は心が別のことに向かったので
柔軟性が必要だった
正しい態度を持つ人を探す
デフォルメされた人が
耳も大きいのは良い
オールバックの小母さん
首を傾けてはいけない
耳が大きいのは良い
柔軟にデフォルメされた人を
高さの詰まらなさを探す
柱は届かない

 

 

 

#poetry #rock musician