工藤冬里
勝負の前にいつもの妄想に浸る男の万能感は陰謀論に繋がっている
対立の〈中に-入って-進む〉のではなく
宇宙論争の〈外の-近さに-遠ざかっていく〉
彼は数ページ後に殺されることを知らない
#poetry #rock musician
勝負の前にいつもの妄想に浸る男の万能感は陰謀論に繋がっている
対立の〈中に-入って-進む〉のではなく
宇宙論争の〈外の-近さに-遠ざかっていく〉
彼は数ページ後に殺されることを知らない
#poetry #rock musician
いつまで私は思い悩み、毎日悲しみに暮れなければならないのか
商店たち
白い商店たち
それは自分で解決できる問題ですか
どうしたら良いだろうか
風がどどぅと楸(ひさぎ)の白に
桐のように伸びる 赤目柏の暖色LEDの白空に
穏やかさを保つための錨を持つ
おだやかさをたもつためにいかりをもつて可笑しい
一切心配してはいけないという意味ではないわ
紀元前六世紀以前の人々は不完全ながらまだ風の感じ方はまともだった
一七世紀以前の音楽は無抵抗ながら光熱の感じ方がまだまともだった
ピタゴラス由来のプラトンとバッハが商店たちをマイナスの領域に追いやった
以来おだやかさをたもつためのいかりをもった転校生は一人もいない
#poetry #rock musician
title: Archive
target: コロナ下で自宅待機させられているすべての人類
synopsis: 監督自身の、何代かに亙る携帯電話~スマホに保存されていた今世紀初めからのデジタル画像。
usage: ガラ携からスマホへの移行に伴って画質も変化していく。画像がほぼ年代順に並んでいるだけなので、どこから見ても、飛ばしても良い。ゴダールの「ソシアリスム」のトレーラーをややゆっくりさせたようなものである。一時間半に及ぶ単調な画像の羅列の後、エンドロールに主題歌「アルシーヴ」が挿入される。
remarks: 映画よりも現実の方が劇的であることは近年特に顕著に感じられるようになってきた。ゆえに我々が、作られた映画を見る必要は年々減じてきているように思われる。そのような状況下で、自宅待機の人々の関心は「自分史」に向かい、それはデジタル画像のアルシーブ化を意味するだろう。家族の監視の状態で行われる画像の取捨選択の作業には、ジャック・デリダの言う<法>が介入する。この映画の鑑賞とは、その捨てられた写真たちによる「アルシーブの亡霊」を観るということなのだ。映像は個人史のアルシーブ作業とインターネット上の”陰謀論”ニュースだけになるだろう。これが映画史の終わりである。
#poetry #rock musician
付録でもんだいなのは、このアルシーヴ化のなかの、アルコン的、(言い換えれば公文書管理的)部分、つまり、前デジタル期におけるテクストを集め分類する、その権威主体が裂開しているということである。そこから立ち上るゆうれいが同じものではないということが、アルシーブ化に<法>が介入する鮮やかさに濁りを与えているのである。パラレル通信に限って言えば、園田は動機を問題にし、小山はポストモダン下のその時点で出来る範囲の観照を行い、大里はただ音楽を聴いている。ヨブの三人の友のように彼らは正しく、そしてヨブは居ない。
#poetry #rock musician
例えば春に、遠くの雪山をスマホで撮ると、頭で考えているより小さくてがっかりすることがありませんか? 遠近法を無視したり変えたりするのが絵画史であったと言えます。例えばソ連の素朴画家の「わが息子」という絵は息子が山より大きいし、松山の三津浜駅の「三津浜図」は遠く富士山まで俯瞰していて、これらの遠近法は地球が平面であるのと同じくらい正しい。
さて祖父の描いた戦前のモンパルナスです。彼の場合、遠近法はそのままに、強調したい丘のみを物理的に他より厚塗り(二センチくらい)するわけです。ですから絵というよりもはや立体に近い。ルオーは絵の具を削り落としてはまた塗るという作業を繰り返したそうですが、祖父の場合はケントリッジか石田尚志かというくらい途中経過も全て残しながら層を堆積させていったのです。それが僕の最近の、ボイスメモをGarageBandで重ねた「練習!パフォーマンス」という声の作品の情報処理の不器用さとふと似ていると思ったのです。
#poetry #rock musician
その瞬間から解体に向かう雲
その瞬間から解体に向かう国
#poetry #rock musician
祈りだけが現在である
呼吸は方便に過ぎない
口寄せのビルは更地にされ
ピンクの石板に引っ掻き傷が見える
大きなパブの中で
常に追われていないふりをしている
#poetry #rock musician
丸ゴシック体の市報に囲まれ
医者にさえも穴が空く
二日酔いに似た抜けの無さがあゝ
つらい
つらい
つらい
冷たい雨
半端者にウォ―ムジェット
#poetry #rock musician
It’s fine today
it’s time to obey
渋滞の中で
封じ込める
アライグマは猫小屋に居座るが反逆的だ
怪我をしているようだ
It’s fine today
it’s time to obey
流氷よせめて南へ流れよ
それが溶けるまでの 時間
※ 富澤 赤黄男
#poetry #rock musician
浮かんだのは
廃墟にて月にもあらず風にもあらず
で
過去のいろんな着地がことごとく排除され
役所広司は高倉健に
梶芽衣子は藤純子にならぬまま
黄色いリボンでもなく
擬似家族の絆でもなく
ファスビンダーの絶望でもなく
希望しかない、みたいな
虹を砕いて売るか
みたいな
知らんけど
それでも春野草の天麩羅
みたいな
#poetry #rock musician