広瀬 勉
1501 : 200912 06:49 東京・杉並 阿佐谷南
#photograph #photographer #concrete block wall
ポカンと
浮かんでいた
白い雲が
青空に浮かんでいた
あんなふうに
浮かべたら
いいな
いちど
空を飛んだことがあった
飛ぶというより
落ちたのだった
ハワイだった
旋回して上昇する飛行機のドアが開いて
パラシュートを背負った男と
落ちたのだった
だいぶ落ちて
男のパラシュートは開いた
ゆっくりと
旋回して
地上に佇った
今朝も
小川の傍を歩いてきた
雲が
いた
小川に白鷺がいた
黄色い水仙の花の老いて揺れていた
菜の花の群れて咲いていた
小さな
カタバミの花もいた
いまは
工藤冬里の”unify my heart”を聴いている *
工藤冬里が
呻いている
こころをひとつにして
こころをひとつにして
こころを
ひとつにして
あの雲のいるところ
あの白鷺のいるところ
あの水仙と菜の花とカタバミの花のいるところ
* “unity my heart”は工藤冬里のワンマン「2004.5.5 裏窓」 の最初の曲です.
https://torikudo.bandcamp.com/album/200455
#poetry #no poetry,no life
朝から
雨だった
小川の傍を歩かなかった
浜辺のクルマで
“Unknown Happiness” を聴いてた *
繰り返し
聴いていた
なんどか
いきそうになった
おぼえてるのは
三つくらいだけど
もっと
あったとおもう
桜上水の駅前の踏切だった
白い家の屋根裏部屋だった
用宗の海のボートの中だった
“Unknown Happiness”を聴いている
工藤も
そうだろう
桑原正彦も
そうだったろう
どこにもなかった
Happinessは灰色だった
灰色って
ぜんぶなんだ
おぼえてるのは三つくらいだけど
ぜんぶだった
過ぎてきた
過ぎていった
“Unknown Happiness”にはバージョンが三つある *
一つは旅だろう
二つは友だろう
三つは友との歌だろう
* “Unknown Happiness”は工藤冬里を中心としたユニット「maher shalal hash baz」 の曲です.
#poetry #no poetry,no life