michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

refuse collector

 

工藤冬里

 
 

自由とは捨てること
不自由とは収集すること
排泄物であるかのように捨てることが必要
夏とは捨てるものをゴミのように憎むこと
冬とは収集してしまったことをクズのように憎むこと
refuse collectorが五味カス葛うどんを食べている
愛されるべきだったものは死後数週間放置されている
札が見つかることもある
断捨離とは捨てられないこと
貧乏性とは捨てられたいこと
to know himとは彼のゴミ屋敷の入り口に立つこと
自由な秋の強さとは強力粉と薄力粉を共に踏み付けて五味カス葛うどんにすること

 

 

 

#poetry #rock musician

家族の肖像~親子の対話 その48

 

佐々木 眞

 
 

 

僕、映画村好きですお。
映画村ってどこにあるの?
西日本ですよ。
コウくん行ったことあるの?
修学旅行で行きましたお。
そうなんだ。お父さんも行きたいな。
お母さんも行きたいな。コウ君と一緒にまた行きましょうか?
嫌ですお。

ヒタイ、オデコでしょ?
そうだよ。
ヒタイ、どこ? これ?
そうだよ。

✖️は止めるでしょ?
そうだね。

キケンは止めるでしょ。
そだね。

お父さん、「なんで」の英語は?
WHYだよ。

おどろくって、びっくりする、のことでしょ?
そうだよ。

お父さん、タケちゃんのラーメン屋さん、閉店したの?
そうなんだよ。残念だね。

タケナカさん、体調崩したんですお。
そうなんだ。

疫病神って、なに?
良くないことをひきおこす人だよ。

セイザブロウサン、「ヘーツト」と言ったよ。
そうなんだ。お父さんと同じね。

お父さん、将棋の英語は?
SHOGIだよ。

お父さん、ふきのとう舎は大和だよ。
そうだよね。

お母さん、ケチって、なに?
お金を大事にすることよ。

ぼくはお昼寝しますよ、お母さん。
分かりました。

立派って、なに?
偉いことよ。

オーケストラ、音楽でしょう?
そうね。

必死って、なに?
一生懸命に、だよ。

コウ君、お昼寝したの?
しましたお。
いっぱいしたの?
少ししましたお。

自治医大、栃木でしょ?
え、そうなの?
そうですお。

ショックは、びっくり、でしょう?
そうだね。

ぼく、グリーン牧場好きですお。
グリーン牧場って、どこにあるの?
渋川だお。
コウ君、行ったことあるの?
ありますよ。

ぼく、帰ってから、手をシュッシュしましたお。
お、いいね、いいね。

ぼく、静かにしようね、っていったお。
そうなんだ。静かにしてね。

サクランボは、果物でしょ?
そうだね。
サクランボ、サクランボ、サクランボ

カズエちゃん、お母さん痛いの?
痛くないけど、歩けないのよ。

花盛りは?
お花がいっぱい咲いている、よ。

酸は二酸化酸素の酸でしょ?
そうだね。

お母さん、マナーモードって、なに?
ちょっと待ってね、いまやってあげるよ。ほら呼び出し音がしないでしょう?
分かりましたあ。もういいですよ。

パは、ハと○だよね?
そうだね。

お腹いっぱい、の英語は?
アイアムフル、かな。
フルフルフル。

神様って、なに?
上の方で、コウ君を見守っているひとだよ。

お歳暮って、なに?
「ありがとう」のしるしよ。

お母さん、日本一って、なに?
日本で一番、よ。

人身事故で、電車遅くなってしまうね?
そうだね。

平凡て、なに?
ふつうの生活よ。

お父さん、今日ビデオとってね。
分かりましたあ。
そう言ってるよ、お母さん。
良かったね。

お父さん、「裏切者」って言っちゃ、ダメでしょう?
それはいわないほうがいいね。コウ君言ったの?
いいませんお。

お母さん、今日の晩御飯は、すき焼きにしてください。
え、すき焼きですか? わっかりましたあ。

強敵って、なに?
強い敵だよ。

ワイドドアって、たくさんの人が利用できるようにしてあるんでしょう?
そうだね。
ドアを広くしてあります。
そうだね。

キシモト先生の前は、ミズカワ先生ですお。
コウ君の親知らずを4本いっぺんに抜いた聖ヨセフの先生ね。コウ君、頑張ったね。
ぼく、頑張りましたお。

ゲスト、お客でしょう?
そうだよ。

ボク、マリオ好きだったよ。
そう。
こんど、マリオやりたいですお。
そう。じゃやろうね。
いやですお。

ラッシュアワーって、なに?
電車が込むときよ

お父さん、いったんて、なに?
一時だよ

開始って、なに?
はじめることよ。

レーダーって、なに?
それでもっていろいろ探すんだよ。

とうみょうさんがいったんだよ「プロになるって」
なんの話?
「盤上の向日葵」だお。
そうなんだ。

ヒョウタン、食べられる?
食べられるよ。

コウ君、お父さんのズボンのポケットに入ってた3千円知りませんか?
お母さんのお財布に入れましたお。
そうなんだ。

オクラの葉っぱは、ワタに似てるよねえ。
そうなの?
似てますよ。
そうなんだ。

ワカバ会館、工事したの?
そうよ。

怒りやすいって、なに?
怒りっぽいということよ。

お母さん、せせらぎって、なに?
サラサラ流れることよ。

コウ君、いたいの? かゆいの?
かゆいんですお。
薬つけてあげようか?
つけますお。

お父さん、頂きますの英語は?
ちょっと待って。いま調べてみるからね。アイル・ハブ・イットだよ。

また来てね、って、なに?
また来てね、また来てね、よ。

お母さん、経験って、なに?
いろいろやったことよ。

お父さん、聞くなって、聞かないで、のことでしょ?
そうだよ。

お母さん、一丁目て、なに?
一丁目、二丁目、三丁目。

お母さん、これ、なに?
さつきよ。
これは?
どくだみよ。
どこでとったの?
うちのお庭よ。
ぼく、さつきとどくだみ、好きですお。
お母さんも。

 

 

 

秋のrefuse

 

工藤冬里

 
 

自由とは選べること
不自由とは選ぶこと
正確な情報を前もって知らされた状態で選べることが必要
春とは色が変わること
秋とは見え方が変わること
同じ色が黒枠で埋葬されることが必要
強さとは侮辱を喜ぶこと
弱さを知ることは強さの入り口に立つこと
自由な秋の強さとは強みをごみにすること

 

 

 

#poetry #rock musician

She drinks a little wine at times.
彼女は時々少し酒を飲む。 *

 

さとう三千魚

 
 

yesterday

already
is it yesterday

morning

on the altar

with water, tea and rice
flowers

offered
offered incense sticks

the smoke of incense sticks went straight up and disappeared

I made miso soup
I ate breakfast

I did the laundry
dried laundry

then
was it “Bokeh, but thank you”

I was watching a documentary film about an old mother shot by her daughter

in the afternoon

I went shopping with a woman by car

the woman tried on running spats,
pants and a shirt at a sporting goods store

“I want to go to the Honolulu Marathon”so she said

then at the supermarket
She bought a cabbage, Japanese mustard spinach, beech mushrooms, grapes and dried small fish

She drinks a little wine at times *

 

 

昨日は

もう
昨日なのか

仏壇に

水とお茶とご飯と
花を

供えた

線香をたてた
線香の煙はまっすぐにあがって消えた

味噌汁をつくった
ご飯を食べた

洗濯をした
洗濯物を干した

それから”ぼけますから、よろしく”だったか

老いた母を娘が撮った
ドキュメント映画をみていた

午後には

女と車で買い物に
いった

女は

スポーツ用品店でランニング用スパッツと
パンツとシャツを試着した

ホノルルに行きたい

といった

それからスーパーで
キャベツと小松菜とブナシメジと

巨峰と

ちりめん干しを買った

彼女は時々少し酒を飲む *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

あきれて物も言えない 16

 

ピコ・大東洋ミランドラ

 
 


作画 ピコ・大東洋ミランドラ画伯

 
 

工藤冬里の ” L’Autre Cap ” を聴いている

 

もう朝なのかな。
西の山が青緑に空に浮かんでいる。

夜中に目覚めて、工藤冬里(Maher Shalal Hash Baz)の”L’Autre Cap”というCDを聴いていた。

“L’Autre Cap”

“その他の岬”ということなのかな。

このCDには工藤冬里がマヘル・シャラル・ハシュ・バズとしてアメリカのオリンピアのキャルヴィン・ジョンソン主宰のKレコーズのスタジオで2007年に録音した27曲が入っている。

“Suspended Season” “Portland Town” “Kamakura” “How Long Will You Forget Me?” “Misaki” “Eve, Mary, And Juliett” ” Moving Without Ark “などなど、
生々しく滴る生命の音がある。

その”Misaki”からは、中原中也の北の海が見えるのだろう。
北の海には灰色の浪ばかりが見えるだろう。

“Suspended Season”は”吊り下げられ延期された季節”とでもいうのだろうか?
2,000年以降の現在まで続く新自由主義グローバリズムが浸透しきった世界に生きるわたしたちの生に反響する叫びをこの曲は持っているだろう。

吊り下げられて人々は生きている。
そう、思える現在です。
そう思える現在が20年も続いていると思えます。

10月からは「GO TO トラベル」の東京発着が許可されるということです。
それは希望となるでしょうか?
われわれはわれわれの地獄に薄皮を掛けて見えないようにすることを希望と認めるでしょうか?
かつて「保育園落ちた、日本死ね!」という主婦の言葉がありました。
その言葉をブログに書き込んだ主婦もまたこの薄皮に覆われた世界を生きていることでしょう。

2020年9月16日に、菅内閣が発足しました。
秋田県南部出身の誠実な方だそうです。
安倍政権の政策を「継承」される方だそうです。
菅内閣発足直後の支持率が65%だそうです。

「行政改革」も「デジタル」もおそらくは日本を覆うための薄皮でありましょう。

 

もう朝になりました。
西の山が青緑に青空に浮かんでいます。
西の山は幻影のように青空に大きく浮かんでいます。

いまは、工藤冬里の “How Long Will You Forget Me?” という曲を聴いています。
あなたはどれくらいまでわたしを忘れているの?
工藤冬里の歌う声は痛切です。
それは幻影でしょうか?

あきれて物も言えません。

 

作画解説 さとう三千魚

 

Maher Shalal Hash Baz / L’autre Cap (2CD)
https://www.reconquista.biz/SHOP/EPCD0034.html

 

 

 

王国 Ⅱ

 

原田淳子

 
 

 

夜に濡れてゆく
硝子玉の音いろ

鈴虫たちが
銀の環を潜り
いのちが土に頬よせる

泉団地行きのバスが通り過ぎれば
野放図な蔦が彼らの王国を孕む

重すぎる未送信の手紙の
耐えられない存在の軽さ

涙すら流れない虚無

裸足に触れる
星疼く夜

虫たちのマルチチュード

 

 

 

Above all, don’t tell a lie.
何よりもまず第一にうそをつくな。 *

 

さとう三千魚

 
 

last night

midnight

woke up on the sofa

so
I wrote a poem

then
I started working on an essay, “I’m stunned and can’t say anything.”

I was vague in front of my desk

no no
I was reading the newspaper

I was listening to Taku Hayashi’s “AURELIA”

“Seal love”

I was listening

I was staring at the west mountains beginning to appear blue

there
lily flowers bloom

birds fly

Above all, don’t tell a lie *

 

 

昨夜は

夜中に

ソファーで
目覚めた

それで
詩をひとつ書いた

それから
“呆れてものも言えない”という短文に取りかかって

机の前で
ぼんやりしていた

いや
新聞を読んでいた

林拓の”AURELIA”を聴いてた

“あざらしの恋”

聴いてた

西の山が青く浮かびはじめるのを見ていた

そこに
百合の花は咲き

空の鳥は飛ぶ

何よりもまず第一にうそをつくな *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

おどなすてわーばみずでだんだが

 

工藤冬里

 
 

まだ生きている
病室からの顔を分けて考えることが出来なくなっている
どうぶつの言葉
おねえさんはまだ暑い
モバイル器具はアカシアで作る
箱の中には
箱の上には
年に一度の出入りに意味を持たせる
その所有そのものには意味や力はなかった
二つのものは跪いて下を向いていた
跪く者を拝むことはない
声もそのものからそのものの声が出ることのないよう
そのものからは出ず二つのものの間から出て顔の前に置かれていたが向きがないような顔の前に置かれていた
一羽一羽
一話一話
助けて
犬みたいなにおい
一緒にコツウォルズに行った
五羽目はただです
帆を畳んで
膜が取り除かれたので
津軽弁で叫び
最後の痛みは酸味が勝った
支払いは完了した
領収が裂け箱が見えた

 

 

 

#poetry #rock musician