春に
生まれた
56年が過ぎて
母を
見舞った
雪原のむこうに
山々はあり
雪原のうえ
空は
ひろがっていた
雲が浮かんでいた
誰にでも空はあるだろう
そこにいた
そこに投げられていた
56年が過ぎて
なにもわからない
今日が
ひろがっていた
春に
生まれた
56年が過ぎて
母を
見舞った
雪原のむこうに
山々はあり
雪原のうえ
空は
ひろがっていた
雲が浮かんでいた
誰にでも空はあるだろう
そこにいた
そこに投げられていた
56年が過ぎて
なにもわからない
今日が
ひろがっていた
昨日の夜
新幹線で新庄についた
それから車で
西馬音内まできた
雪原がひろがっている
そのうえに
空がひろがっている
ヒトビトは
小さくみえる
子どものころ
増水した川で溺れたことがあった
死ぬんだと
おもった
死は遠くない
そこに川が流れていた
昨夜は
荒井くんが
浅草橋の西口やきとんで
待っていてくれた
わたしの誕生を
祝ってくれた
産まれたとき
泣き叫んだろう
憶えていない
ヒトに生まれた
虫だったかもしれないし
鳥だったかもしれない
ヒトはいつか垂直に叫ぶだろう
神田珈琲園で
サンドイッチと
ブレンドを頼んだ
今夜は
二階がいっぱいで
一階にいる
川崎の河原で
カッターで刺されて
死んだ少年のことを思った
その死もネットで
検索した
いまスマホでこの詩を書いている
カッターで
詩を刻みたい
午後に
うえはらんど3丁目15番地に
伺った
坂のうえだったはずが
通り過ぎていた
記憶の地図はあやふやで
今と一致しない
坂をのぼり
坂を下りて辿りつく
志郎康さんと麻理さんと
友人たちの
笑顔があった
空に帰して笑って
いた
地図はない
磯ヒヨドリや
メジロ
ツバメ
蟻は
かわいいね
チンパンジーも
かわいい
馬の子も
馬の母親も
かわいいね
瞳がかわいいね
睫毛がながいね
かわいいね
かわいいね
ヒトは
どうかしら
眠っているときの
女のヒトもかわいいね
昨日
深夜に
新丸子の自販機の前に
立っていた
そこに
自販機たちは
いた
内側から白い
光を発して
そこにいた
この光の向こうに
コトバは
無いコトバは
あるのか
白い光は
そのヒトだった
笑っていた
佇っていた
ないの
だろ
もう
なにもないのだろ
唇の
なかに
コトバは
ない
のだろ
渡り
横切って
いった
過ぎていった
そのヒトは
白い雲となって浮かんでいた
ポカンと
青空に浮かんで
いた
ハクセキレイが二羽
渡っていった
横切っていった
今朝
スープをつくりました
ごぼうと
じゃがいもと
わかめと
こんぶと
ウインナと
入れて
スープをつくりました
塩を
ひとつまみ入れました
どれも
与えられたもの
ひとりで
スープを飲みました
エアコンが
カタカタと鳴っていました
雨の日の
午後にめざめる
休日の
午後にめざめる
雨の日の
休日の
午後に
眠たいモコを抱く
モコとピーちゃんで遊ぶ
夕方に
海辺のプールで500m泳いだ
それから
外に出て
暗い空と長い堤防をみていた
堤防の先に
光が灯っていた