今朝
ニコラーエヴァの
シシリアーノを聴いてる
母ちゃんのピアノだ
こどもにも
弾いて聴かせたんだろ
昨日
ワインを飲んだ
医者に酒を止められたから
ワインにした
帰りに
新丸子の東急ストアでバゲットを買い
齧って帰った
今朝
ニコラーエヴァの
シシリアーノを聴いてる
母ちゃんのピアノだ
こどもにも
弾いて聴かせたんだろ
昨日
ワインを飲んだ
医者に酒を止められたから
ワインにした
帰りに
新丸子の東急ストアでバゲットを買い
齧って帰った
脇道を帰った
昨夜も
新丸子の脇道を帰ってきた
わからない
なぜその道を帰るのか
なぜ白い花のまえで佇ち止まるのか
なぜ
婦人服のあるショウウィンドウの前にいつも
佇つのか
毎日
そうしている
そこにいた
そこにいない
もう荒井くんはNYに着いたかな
おととい
吾妻橋の薮で
荒井くんと
蕎麦を食べた
ビールも飲んだ
この前は
電話で
お前もダサい詩人だなあ
と言われた
カッコつけてんじゃねえよ
キモイ書なんか書いてんじゃねえよ
とも言われた
休日に
海辺の塵の中から貝と流木を拾う
歩いてた
細い坂道を
歩いてた
街は
海を抱くように
包んでた
埠頭で
年寄りたちは釣りをしてた
この花は
なんですか
このねむの木の花のような
鐘の音を
いくつも聴いた
西坂の空に
二十六聖人が浮かんでいた
そこにいる
そこにいた
ことばを
捨てる
おとこを
捨てる
おんなを
捨ててみる
なぜ
ことばを捨てるのか
なぜ
ない羽で羽搏くのか
朝には
多摩川を電車で渡り仕事にでかけた
夜には
多摩川を渡り
帰ってきた
ことがらの意味をわすれた
痛い足を引き摺る
鳥の声を
聴かなかった
目覚めて
ベッドの上で
夢の中の姉を反芻していた
神田の
ガード下のレンガの
壁に
寄りかかって
姉は
佇ち尽くしていた
何日も
そこにいたのだろう
抱き寄せると躯は冷たかった
全てを
終える
そこに佇つ
昨日
海から帰って
ソクラテスを聴いた
今朝も
散歩から帰って
サティの
ソクラテスを
繰り返し聴いている
若い頃
別の女と住んでいて
レコードで
このソクラテスの死を聴いた
白鳥だった
死んでゆく白鳥が
歌ってた
モコは
横で眠っていた
スズメに会う
三栄町の
公園で
スズメに会う
チチと
いう
ハクセキレイにも
たまに会う
チチチチチ
という
海辺で
磯ヒヨドリとも
出会う
燕のつがいは
チキチキと鳴いて飛んでいた
曲線を
描いてた
声の底にノイズがあり
遠い君がいた
帰りには
新丸子の
ひとつ外れた
道を帰る
夜道に
いくつかの花が咲いてる
白い花や
黄色の花や
うすいむらさきの花が
咲いてる
足の親指の付け根が痛む
痛風
なのか
ゆっくり
そろり
歩いて
帰る
白い花を見た
帰って
芋焼酎を飲んだ
深夜に
電話があった
荒井くんだった
酔ってた
時間を無駄にするなといった
おまえにはやることが
あるだろう
といった
FBに写真をのせることや
詩人たちと
付き合うのは止めろといった
電話を切った
翼を求めた
翼を求めている