secret 秘密

 

昨夜
新幹線で帰った

車窓には
たくさんの灯りが

流れてた

悠治さんのシンフォニア11
を聴いてた

消えさるもの
流れさるものを

悠治さんは抱いてた

帰り着くと
闇の中

白い百合の花たちが咲いていた

モコの首を齧り
わたしは狼の声をだして眠った

 

 

 

island 島

 

新丸子の

駅の

帰りの
夜道には

白い花が
咲いてる

ヒメジョオンの白い

花をみた
もう

ユリオプス・シルバーシングルの
黄色い花たちは

いない

白い花のまえに佇つ
白い花のまえに佇つ

島影のよう
俤のよう

ヒメジョオンの白い花のまえに佇つ

 

 

 

hang 吊す

 

今朝も

鳥の鳴くまえに
目覚めた

それで

ベットの上で
ごろごろ

してた

わたしはヒロシマの痛みをしらない
わたしはヒロシマの痛みをしらない

アメリカ大統領が
誰かが書いた原稿を読んだ

ことばは
物語のようだ

吊るされた痛みがある
吊るされている

 

 

 

spoon スプーン

 

また

鳥の
鳴くまえに

目覚めた
砂糖を

ひとつ
すくって

コーヒーに
いれた

小鳥たちはしばらく
鳴いて

もう
鳴かない

スプーンで砂糖をすくった
スプーンで白い砂糖をすくった

昨日は
神田で甥と会った

母の遺骨を渡してくれた

 

 

 

go 行く 去る

 

鳥の鳴くまえに
目覚めた

それで

待って
いる

今朝も
鳥の鳴くのを待ってる

そのヒトは
鳥籠から出ようと

ハイチャンポ。
ポン。

と言った

だが
それもコトバだ

目覚めて
庭の

紫陽花の青々とした花芽を

見ただろう
ハクセキレイが鳴いてた

 

 

 

cover 覆う

 

海から帰り
午後に

高橋悠治さんの
インヴェンションとシンフォニアを

聴いた

声に
声を重ねる

さらにもうひとつ声を
重ねる

夕方にはモコと散歩した

道端には
ドクダミの白い花が咲いてた

悠治さんは
覆うのではない

ピアノの声を重ねて裸になる

 

 

 

mountain 山

 

おはよ
燕たちは

チキチキと鳴いて

障子を開けると
西の山が青く連なっている

昨日
海辺のプールから

鳶や燕たちの
飛ぶのを見ていた

空があり
空の向こうに空があった

もう
庭の白木蓮の花も

君子蘭も
散ってしまった

青葉が繁っている