津波のあと
爆発したんだね
原発がね
それで
置き去りにされた
呻いてた
叩いていた
叫んでいた
クラクションを鳴らしていた
それでも
置き去りにしたんだね
原発がね
もとにもどしなよ
福島を
修理しなよ
呻いていたさ
叩いていたさ
津波のあと
爆発したんだね
原発がね
それで
置き去りにされた
呻いてた
叩いていた
叫んでいた
クラクションを鳴らしていた
それでも
置き去りにしたんだね
原発がね
もとにもどしなよ
福島を
修理しなよ
呻いていたさ
叩いていたさ
日比谷線で
朝に
ブラームスの
6つの小曲 作品118 第2曲を
繰り返し
聴いている
なぜ
聴くのか
わからない
そこに
ブラームスは
いない
ピアノの
身振りだけが残っている
この世の空から
自己のいない世界を見ている
雨は
ふって
いたろ
西の山は霞んで
いたろ
休日に
障子は閉めて
ラ・モンテ・ヤングのあと
説教節を聴いて
いたろ
おんどうぼうや
おんどうぎょうや
なんまいだぶなんまいだ
無数の声がした
世界から聴いた
無数の
事実の世界だった
きのう
雨のあいまに
海にいった
モコを連れていった
磯ヒヨドリが
鳴いてた
ものすごいスピードで飛んでいた
戯れでなく
なにを奪い合っているのか
磯ヒヨドリたちが鳴いて
飛んでた
雨のあいまに
モコを連れていった
押し出して行った
暗い海をみた
昨日は
朝に
ひかりに乗り
景色を
過ぎていった
新宿で私鉄に乗ったの
だったか
コトバを破り
コトバを脱ぐヒトたちの
なかに
花の端切れを集めたドレスを着て
そのヒトは
いた
花の端切れのなかの
傷んだコトバを
抱いていた
笑っていた
今朝
電車の中で
叫ぶ
赤ちゃんを見た
母に抱っこされ
ああ
ああ あああ あああ あああ
と叫んでいた
リズムがあり
前後にあたまを
振っていた
新幹線の中では
ブラームスを聴いていた
あたまは振らなかったが
うなずいていた
ブラームスに
昨日は
曽根さんと飲んで
帰って
今朝もう
電車に乗ってる
ビートルズの I Me Mine を聴いてる
満員電車で
くりかえし聴いてる
わたし
わたしに わたしに
わたしのもの
そう
歌っていた
中目黒では日比谷線に乗り換えた
わたしでない
ものの
底を
とおって
どこに
いったの
おじさんは
蝉の鳴くのを聴いてた
蟻の
歩くのを見ていた
蟻たちが
歩るっていた
わたしでないものの
底をとおって
わたしのいない場所に佇つ
おじさんには
お金は無いけれど
みあげると
光って
た
水底から
みあげていた
光って
いた
わたしは
わたしでないものを
とおって
いった
光って
いた
せまい
わたしでないもの
そこを
とおって
わたしではない
わたしは
わたしはない
わたしではない
こだまは
熱海を
過ぎた
ブラームスの
6つのピアノ曲の
第2曲を
くりかえし
聴いてる
休みのあいだに
戦争の映像をみた
わたしと
同じ
ヒトビトが
死んだ
世間のために
無意味に死んだ
たくさん
たくさん
たくさん
死んでいった
たくさん